原油や金などの価格が史上最高値を更新するなど、通貨の信用が落ち現物の価値が高まる動きが続いています。贅沢品の値段が高くなる分には余り困りませんし、牛肉やマグロだけが高くなるなら、代替品で我慢もできます。しかし、もの全般の物価がじわりと上がるのは個人消費には大きな痛手になります。
 一方、サブプライム関連の証券化商品の価格急落が引き金となった信用収縮も収まったわけではなく、むしろ影響が出るのはこれからだという見方もできます。お金が必要なときに、必要なところへ回らない、しかも通貨の価値が不安定でインフレ懸念が広がる。この連鎖を切らないと、不安は益々増殖されます。
 ついこの間、FRBが市場の信用収縮懸念を払拭するために行った政策金利の大幅引き下げの決定はインフレ懸念が収まっていることを前提に行われたはず。信用収縮を防ぐための政策金利引き下げや市場への大量の資金供給は、インフレ懸念を増長するため、やりずらくなりました。インフレ懸念の発生は政策金利の引き下げや資金供給という手段を封印します。むしろ金利を引き上げてインフレ懸念を抑えなければという考え方が強くなります。
 
 しかし一方でサブプライム問題を発端にした信用収縮懸念は収まったわけではありません。サブプライム問題が収まったかに見えた背景は、今後も政策金利の引き下げは行われるし、市場がキュウキュウしたら大量の資金供給をしてもらえるという、各国中央銀行に対する市場の甘えです。
 市場では、今後政府や中央銀行に対して「説明責任を果たせ。透明な政策を」と市場との対話を求める声が高まると予想されます。こういう声が高まるときはまさに相場状況が混迷な状態にあるとき。ドキドキしたくない人は過剰なポジションを落として楽にしておきましょう。ドキドキしたい人は目が離せません。上下に大きく動く機会が目の前に迫ってきているようです。いずれにしても、シートベルトをしっかり締めて、場合によってはヘルメット着用が必要かも知れません。