私が「債券投資っていいかも」と米国債券投資と出会ったのは、もう35年も前。世の中、レーガノミクス(アベノミクスではありません)の宴の後で、「アメリカは破綻するかも」と懸念された時。

当時、米国国債は足下も10年も20年も30年も、どの期間も複利利回りで13%程度まで上昇しました。

13%の複利利回りということは、毎年13%ずつ元本が利息で増えていくという、とんでもないことが起きていました。

20年後、アメリカが破綻せず、借金を返してくれれば、投資元本800ドルが1万ドルで戻ってくる状況でした。

次に「米国債券投資いいかも」と思ったのは、米国が金融危機で最上級格付AAA(トリプルエー)の社債などが半年程度で一気に投機的格付けジャンク債まで売り込まれた2010年でした。

米ドル建てで7%程度の利回りのものがゴロゴロ出てきました。このときも、10年後はわからないけど、5年程度先に「破綻するとは思えない」という発行体の債券は買い場だと考えました。

そして、現在、米国債の利回りが3%程度まで上昇したことで、米国債が往年の高利回り債であるオーストラリアやニュージーランドよりも高く、ユーロ建てのイタリアやポルトガルよりも高金利で

しかも、投資環境が安全をより強く求める動きにある中で「今後はドル高になる」と考える投資家には、米国債が久々に提案できる水準になったと考えています。

「米国の金利上昇が心配」とか「円高・ドル安が心配」という人ではなく、「ここから金利上昇するならよりラッキー」「この金利水準でもっと円高になったときに投資できるなら最高」と思える人にお勧めです。

 

今週初め、7月末の金融政策決定会合で日本銀行は「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とフォワードガイダンス(将来の指針)を新たに導入し、マーケットは日銀が金融緩和修正に動いたのか、金融緩和強化に動いたのかを測りかね、これまでのところ、長期金利の指標である日本10年国債利回りの上昇をどこまで容認するかと金利上昇の壁を模索しています。

私は、2016年9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、「お金をジャブジャブ付けて」金利を強引に抑える政策から、「期間10年の国債利回りを0%程度に抑える」と敢えて量の言葉を避けて金利に重点を移した時点で日銀の金融緩和には限界が来たと考えてました。さらに、今回は「当分の間、低い金利を維持する」という「言うはただ」という戦略で、金利上昇のスピードを牽制するのが日銀の役目かなと思います。

さりとて日銀の目がある限り、マーケットではやんちゃなこともできないため、それこそ、当分の間は、日本国債利回りは魅力的な水準に上昇することはなく、投資妙味薄で閑散状況は続く。

皮肉ではありますが、ますます米国国債利回りの水準が相対的に魅力的な水準に見えて、自然と円安・ドル高方向にジリジリと水準を変えていくと想定しています。

いつの間にか、ドル円は米国、日本ともに居心地のよい水準1ドル=112円程度まで戻ってきました。