久しぶりに投資環境について書いてみたいと思います。

最近、米国株式市場が再度、史上最高値を超えた活況ぶりに、「上値を試す」あるいは「宴の終わりが近い」と今後に関心が高まっています。

私は、表題の通り、ほろ酔い、腹八分で「おいしかった」と宴の会場から出て行く頃合いだと考えています。私が最も気にする、関心が高いのは「イエレン議長からバトンを引き継いだパウエルFRB議長は骨がある頼りにしていい人か」という点です。

かつて、何度かの金融危機を救ってきたのは、その時々の政治の思惑、点数稼ぎで動く大統領でも総理でもなく、大きな危機が発生しないように浮かれたマーケットに牽制を繰り返し、危機が発生したときには間髪入れずに金融緩和策を講じることができるために、平常時から景気のカンフル剤になる「金融緩和余地を広げていく」、マーケットが頼りにできる中央銀行の役割が大きいと私は思います。

2007年、2008年に米国で発生した金融危機では、14代米中央銀行総裁ベン・バーナンキがいました。2011年に欧州で発生した金融危機の時は第3代欧州中央銀行総裁マリオ・ドラギがいました。バーナンキの後をついだ15代米中央銀行総裁はジャネット・イエレンです。彼女は宴に踊る米国マーケットを正常に戻すため、多くの反対をうまくなだめて、超がつく金融緩和状態を少しずつ少しずつ正常に戻していき、欧州や日本のように「金融緩和を続けて景気を支え続ける選択肢のない国」の中から抜け出しました。

イエレンから引き継いだ16代ジェローム・パウエルは、金融緩和しようと思えばできる選択余地がある恵まれたバトンをもらいましたが、彼の実力、信念は未知数です。

おそらく、彼は7月米国の政策金利を0.25%引き下げると私は考えています。0.5%を期待したマーケットのブーイングと失望で駄々っ子となったマーケットから更なる利下げを要求されるのは目に見えています。

その時に彼は、駄々っ子になったマーケットに毅然とした対応を示すのか、それとも、おろおろした対応になってしまうのか。

私は後者の可能性のほうが高いと予想します。そうなると、せっかく苦労してつくった金融緩和の余地もあっという間になくなり、日本や欧州と同じで「投資環境が崩れたら中央銀行が救ってくれる」という期待が空しくなります。

景気後退懸念を米国の政策金利の引き下げなど金融緩和期待で支えられる余力は米国でさえも大きくないと思います。せいぜい政策金利で0.75%の引き下げ余地で、0.5%も引き下げると「あと1回しかない」とリスク資産への投資は急激に萎んでいくのではないでしょうか。そのため、私はほろ酔い、腹八分でいったん会場を退出、高値圏にある投資対象には慎重であるべきだと思います。

パウエル議長に信念がなく、場当たり対応で金融緩和余地を年内で吐き出してしまうことがないように祈るばかりです。