予想された通り、10年半ぶりの政策金利の引き下げの幅は0.5%ではなく、0.25%小幅の「予防的引き下げ」でした。

対中貿易関税の引き上げの発表が米国株高期待の腰を折りましたが、この発表が無くても、金利引き下げ期待に頼った株高は長続きしなかったと考えます。

今回の引き下げは、10年半ぶりの金融政策の転換だったので大きな材料になりましたが、今後は「引き下げる余地がない水準でどんな刻みで下げるのか」と引き下げに対してマーケットへのインパクトは小さくなりそうです。

それよりも、パウエル米FRB議長がトランプ大統領のアピールに負けて、続けて引き下げを受け入れて、これまで6年がかりで金融引き締めで貯めてきた「緩和余地」を簡単に出し尽くしたら日本の黒田日銀総裁のように、マーケットに対する影響力をなくしてしまうことのほうが心配です。

「最後には、中央銀行がマーケットが壊れるのを防いでくれる」という希望をマーケットがなくしたら、当分の間、リスク資産を避けて安全資産を模索する環境になるのは避けられなくなります。

米国の10年国債利回りは、利下げ前は2.15%まで上昇しましたが、株安を受けて、1.84%まで急低下しました。

1200ドル台だった金価格は約1460ドルの6年ぶりの高値圏で推移。米国債が買われ、金が買われる。リスク資産から安全資産を求める動きはすでに出ています。

リスク資産が下振れしやすい環境が続きます。いずれは下がると思いながら、何となく値保ちがよかったリスク資産を支えてきた環境が変わり、

「やっぱり、あの水準は高かったね」と高値圏にあったものが調整に入っていくタイミングが来たと考えます。