米国、欧州、スイス、イングランド、カナダの中央銀行が協調して、越年資金を金融機関向けに大量資金供給を行うと緊急声明を発表しました。もちろん、サブプライム問題を発端にする金融不安の沈静化を目指したもので、各国中央銀行が協調して資金供給を行うのは初めてのことです。
 「年を無事に越したい」という、危機感は相当なものだと言えます。
 お金で困っている人にとって、まず借りている資金の金利を引き上げられるのは困ります。
 次に「金利はこれ以上上げないけど、これ以上貸せないよ」と言われるともっと困ります。他から、借りられない分を調達しなければなりません。
もっと、もっと困るのは、借りていた先から返せと「貸しはがし」に合うことです。
 したがって、この年末を無事に越すためには、「金利が高くなるのは仕方ないけど、借りられない事態は困る」と心配する人が多くいたはずです。そのため、各国中央銀行は、早めに「年末は心配しなくても良いよ。お金は十分用意しているから」とアナウンスをして、市場の不安心理の沈静化をはかったわけです。
 しかし、中央銀行が直接資金供給を行うのは金融機関向けです。したがって、本当に困っている人に金融機関を通じて、お金が回るかは不透明です。今回の対応でも、やはり「無事に年が越せるか」と心配する人が相当数残る厳しい年の瀬が予想されます。
 昨日、この発表を受けてニューヨークダウは一時300ドル近く上昇しました。短期的な値上がりを狙ってリスクを取る人であれば構わないのですが、現在の状況は非常事態、緊急事態である状況に変わりはないわけですから、上昇場面では慎重に対応した方がよいと思います。
 買わないことで「儲ける機会を損した」と思うかもしれませんが、実害はありません。
 無事に年が越せることに感謝しながら、割安な場面を待ちましょう。