相場の低迷が続き、混迷深まるとき、いろいろな亡霊話が出てきます。一定の条件を満たせば元本を保証しつつ、高い利回りが期待できる「リスク限定・軽減型投資信託」が、当初買い付け時に比べて大きく株価が下げたため、大きな元本割れになる可能性が出てきました。元本保証の条件がはずれる日経平均株価の水準は、14000円程度から増え始め、12000円程度が一番多いところのようです。したがって、14000円を割り込むと12000円程度まで、相場が売り込まれることも有り得るという亡霊話です。
 為替が円高に向かうという亡霊話。株安に向かうという亡霊話。金利が急騰する、インフレが発生するという亡霊話。日本が破綻するという亡霊話など、など・・・。人が見た亡霊の話をいくら聞いても、今後の参考にはなりません。
 実際、去年の今頃はまだ好調だったリート(不動産投信)や、高配当株式を投資対象にした投資信託の実績に思い悩んでいる人は多いと思います。ここで大事なことは、現在の時点で仕切り直しをして、今後の対応を考えることです。
 「そんなこと、自分でやるのは無理」と思われている人が大半だと思います。販売した金融機関は、そんな投資家の手助けを積極的にするときです。
 「なんでこんなに下がったのか」、「今後の環境、今後起こることを想定して、今後も保有するべきなのか」、「今後投資を継続する際にどんな点に注意したらよいのか」など、ひとつひとつを整理せずに基準価額の動きだけ追っていたら、投資家の不安な気持ちは増すばかりです。
 思えば、日経平均株価14000円の水準は、2005年の小泉衆院選挙大勝で構造改革推進期待に酔った2005年11月の水準です。構造改革期待がはがれた今、元に戻って仕切り直しになるのはごく自然な流れとも言えます。
 私はこれまで不動産投信や高配当株式に興味を持っていませんでしたが、これからは選択肢として注目したいと思います。今、ここで勘違いしてはいけないことは、金融商品の仕組みに問題があるわけではないということです。水準が割高なところで投資すれば、どんなに優れた金融商品でも損が発生します。「株式投資はダメ」、「外貨投資はダメ」ではなく、「水準が割高だからダメ」、「現在の投資目的に合わないからダメ」という風に考えることが大事だと思います。
 それからバブル相場は一旦終わったわけですから、現在損を抱えている人は「自分が投資した水準」へのこだわりは捨てた方が良いと思います。今から投資するとしたら「どこまでの値上がりが期待できるのだろう。どこまでの損は覚悟しておかなければならないのだろうか」と、第三者の投資家として自分の持ち物を評価してみてください。その結果、自分の投資した水準がバブルの風でも吹かない限り戻らない水準だと思ったのであれば、活きた資産にするために、どこかで損切りを考えた方がよいかもしれません。
 「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」。今後の投資環境を想定して、自分の持ち物を改めて確認し、どんな対応をすべきなのかと、仕切り直しで考える時期。せっかく投資に取り組んだわけですから、ピンチをチャンスと考えて、前向きに考えていきましょう。
Take it easy! 夜明け前が一番暗いもの 春の来ない冬はない