不動産投信は賃貸収入を収益の源泉とするミドルリスク・ミドルリターンの金融商品として注目を集め、私募ファンドも含めると市場規模は20兆円まで拡大しました。
 土地バブルが崩壊して、多くの不動産会社は大きな負債と売れ残り物件を抱え、倒産の憂き目にあい、青息吐息になった反省から、土地を求め建物を建て、それをすぐ売却し、早期に投資資金を回収することで、借り入れの額を抑えるようになりました。そして、その建物の管理・修繕業務を新たな収益源としました。以前よりも儲けは少なくなりましたが、確実なやり方です。この不動産会社の売り物件の受け皿として、不動産投信が大きな役割を果たしました。
 当初は買い手がいない不動産不況の最中でしたから、物件を安く取得できました。景気が悪かったので、テナントが埋まらず空室率が高止まり。したがって賃料は安く放置されていました。ところが今は市況が回復し、一部では「ミニ土地バブル」が発生し、首都圏では割安な既存物件は見つからない。景気回復に伴いほぼ100%の入居率となり、賃料も上昇加減に。
 不動産不況当時の環境に比べると現在は、賃料が更に上昇したり、地価が上昇したりする期待は小さくなっています。満室に近いということは、空室による減収リスクが高まっているということです。つまり投資家にとっては以前並の収益が期待しずらい環境であり、これから不動産投信を買う妙味が薄くなっているといえるでしょう。しかし、不動産投信の新規設定はこれからも続くという見通しです。これはどういうことでしょうか。不思議です。
 不動産会社が売れ残り物件の発生を懸念して、受け皿をせっせと作っているようであれば論外です。投資家サイドに立った不動産投信を応援することで、まがいものが恥ずかしくて登場できないように監視していきましょう。