本日の日経朝刊記事に、資産分散型投信の元本割れに悩んでいるけど、「分散投資をしていた結果やられかたが少ないから良しとしよう」という投資家のぼやきが載っていました。
 集中投資、一点投資は当たればリターンが大きいけど、はずれると損失も大きくなる。分散投資は上がるものがあれば下がるものもありトータルすると集中投資よりもリターンは低くなるけど、損失も小さくなる。したがって、余り大きなリターンにこだわらない人で、大きな損失を回避したい人は、「投資対象を分散した資産分散型投信の方が好ましいですよ」と説明を受けて投資を決断された人も多いのではないでしょうか。説明自体に間違いはありませんが、この説明を聞いた人の大半は、資産分散型投信に対してこんな印象を受けたのではないでしょうか。
 「この投資信託は大きく儲からないかも知れないけど大きな損もしない」。
 これって今となっては少し注意が必要だったと反省している人が多いと思います。
実際は「いくら分散投資をしていても、損するときは場合によっては1割、2割損することも有り得る」ということです。
 更に付け加えると、分散投資は集中投資に比べて上がるものあり、下がるものあり、で大きなリターンを期待しにくいものであることは間違いはありません。したがって、一度1割も、2割も基準価格が下がるような相場の急落を経験すると、元本回復するまでに時間がかかることを覚悟しなければなりません。実際ITバブル当時に設定されたバランス型投信が元本回復を果たすのに、3年も4年もかかったのがザラにありました。
 私のところに相談に来られる方は、ほとんど100%、資産分散型投信が入っています。しかも、複数の銘柄をお持ちです。私はみなさんに申し上げます。
「現在の評価額をスタートとして考えてください。投資元本は出来れば忘れてください。元に戻ることを強く思いすぎると、これからの対応に対して、気持ちのスタートが切れず、邪魔になるだけです。この資産分散型投信を保有することで、今後どれだけの分配金が安定して受け取れるのかを一緒に考えてみましょう」
 資産分散型投信は「どんな投資対象にどんな割合で投資しているのか」が別々ですから、損切りをするのも厄介です。これが日本株投信だとか、中国株投信だとか、投資する対象が限定されているものであれば、その投資対象の水準で考えられるのですが。
 資産分散型投信は長期投資で考えているものだから、損切りを語るのは不謹慎だという人がいるかも知れません。しかし1割も2割も基準価額が下がるかも知れない割高な投資環境を知っていて、資産分散型投信を堂々と販売していたこと自体に問題はないのでしょうか?
 おそらく現在元本割れしている資産分散型投信の大半は、時間の経過が元本割れを解消してくれるでしょう。しかし、元本割れが解消できればよいのでしょうか?
 元本割れが解消されるまでの長きの間、投資をうらむ、投資を後悔する人が気の毒です。
 気の毒な人にならないためには、今後どうすべきか、この機会にリセットしましょう。何度も言いますが、販売した金融機関はそんな前向きな投資家の相談に積極的に乗りましょう。前向きに考えたい人は言葉に出して相談しましょう。相場の良いときは嬉々として、相場の悪いときは死んだふりを繰り返していては、いつまでたっても日本に投資が根付きません。