小泉元首相の言葉に「坂は3つある。上り坂、下り坂、そしてまさかだ!」。その「まさか」を相場はだいぶ織り込んできたのではないでしょうか?
国内企業3月決算見通しの下方修正、金融機関の巨額損失、円高ドル安進行、世界同時株安、不動産価格の長期低迷などなど。逆に言えば「どっきり」することがだんだん見当たらなくなってきたため、今ここで急いで買う材料もないし売る材料もない。相場は膠着状態に入っています。
 その中で未だに、「どこまで上がるのを期待して良いのか」、「どこまで下がることを覚悟すればよいのか」が定まっていないのが新興国株式。確かに最近の大きな下げ幅は目立ちますが、元々のスタート地点を考えればまだまだ利益確定が可能な投資家はウンジャリいます。
 現在でも「日本の企業に投資するぐらいなら、アジアを含めて新興国株式の方が興味ある」という声を聞きます。「中長期で見たら買い」・・・。
 私は今後の投資は以前と同じ戦い方では勝てないと思っています。今後も運用に困ったお金が効率を求めて動いていく環境が続くのは変わりませんが、つい最近のように「何だったら安いお金を借りて集中投資をする」という借り入れして運用する投資家は少なくなり、過剰な投資、集中投資は避けて、分相応の資金で投資対象を慎重に選んでいく投資家が増えていくのではないでしょうか。慎重イコールわからないことには手を出さない。したがって「期待が高くても、どこまで上がるのかが読めないもの」よりも、「利益が確実に読めて、下がった場合の下げメドが立つもの」の方が投資対象としては好まれるのではないでしょうか?
 私が「新興国株式売り、日本株式買い」という構図を頭に描いている理由がここにあります。私には中国株やインド株などが「今後どこまで上がるのか、どこまで下がるのか」と聞かれても答えることはできません。しかし、日本株なら、日本の個別企業の株価なら、答えることができます。
これって、投資をする上で大事なことではないでしょうか?