桝添厚生大臣は「公的年金の積立金150兆円の3分の1の50兆円をまずファンドで運用してみることは国民にも納得が得られる」と発言したらしい。「上手なファンドの組み方をすれば5〜10年単位で見ると損は出ない」と。
 公的年金積立金は国への預託金、財投債、そして市場運用の3つで、市場運用(07年末残高92兆円)の10−12月期の実績は約1兆5千億円のマイナス。運用効率アップを念頭に置いた発言のようです。
 個人的には、そんなに運用に困っているのであれば、個人の自己責任を徹底させて「そのまま国の運用に任せる」、「自分の責任で運用する」という選択肢をもらえないのでしょうか?
自分で運用したもので発生した利益は勿論非課税です。
 私が投資信託に対して悪い印象を持っていないのは、「どんな利益を投資家に還元していくのか」、「どんなものに投資するのか」、「現状の投資環境をどのように考え、今後どうしたいのか」の情報があることです。もしこれをいい加減に行う投資信託であれば切り換える選択もあります。
 ところが、公的年金積立金の場合はいかがでしょうか。実績が悪かった場合に説明もなければ、今後どうしたいのかも伝わってこない。他に切り換える選択もない。実績が良かった、悪かったは時の運。結果は年金者の自己責任で、悪くても責任を取らされることもない。そんな気楽な運用に国民の財産を守り増やすという緊張感が期待できるのでしょうか。
 じゃー、腕の良いプロに委託しよう。そんな緊張感のない、責任のない立場の人から「この人は腕の良いプロだと評価した人です」と言われても私は素直に信じられません。国の信用で資金を確保することは期待しますが、値動きが発生し増やすことを期待する投資まで任せることには躊躇します。
 運用に困っているのであれば、今後同じように運用していたら国民に迷惑をかけて問題になるかも知れないと懸念があるなら、「このまま国に運用を任せるのも良し。将来の責任を負って自分で運用するのも良し。あなたの望む方法を指示下さい」と国民に問いかけたらいかがでしょうか?
 私はとっても不安です。分散投資の名の下に、大事な公的年金積立金が原油や小麦、大豆への運用に流れてしまうことを。もし必要なら、自分で商品に投資します。そうであれば、将来損をしたとしても納得がいきます。
「商品取引の失敗により、国民の大事な資産である公的年金積立金の3割を飛ばしてしまいました」なんて、聞かされた日には到底納得がいきません。国に大きなことを期待していないのですから、余計なことはやめてもらいたいと思います。