昨日、米欧5中央銀行(その中に日銀は入っていない)が協調し、昨年12月に続き、大量の資金供給対策を発表しました。これを受けて、ニューヨーク株式など海外市場は急騰して戻ってきました。しかし「これで相場は安心」という専門家のコメントはなく、「一時しのぎの対策で、根本的な解決にはならない」と感想をのべ、便利な言葉である「予断を許さない状況が続く」と見ている人が多いようです。
 個人的には、米欧の中央銀行、特にFRBは「よく頑張っているなあ」と評価します。もうFRBができることは限られています。政策金利を引き下げる余地は、この3月のFOMCで引き下げを決定したら、さほど残っていません。いまできることは、市場に安心感を与えるタイミングを狙い、資金が目詰まりしないように流動性の確保に努める姿をアピールすることぐらいでしょう。
 後は米国政府の具体的な政策と関連企業の自助努力で乗り切るしかありません。FRBに多くを期待する限り、市場の失望感はいつまでも残るでしょう。
 FRBが金融機関から連邦機関債券や住宅ローン担保証券(RMBS)を引き受けて、代わりに米国国債を貸し出すというのは英断だと思います。これがもし日本だったらどんなに非難されたことか。
 「そんな実際の価値を測ることができない債券を中央銀行が引き受け、もしその債券価値が毀損して損害が発生したら、誰が責任を取るんだ。そんなリスクのある判断を国民の理解もなしに唐突に決めて良いのか」
 サブプライム問題を機に、それまでは当たり前のように高格付けで信用力が高く担保として価値があった、連邦機関債やRMBCが売るに売れず、金融機関の多くは困っていました。資金繰りにキュウキュウしていたのです。
 その担保としてもまともに扱われなくなったものとの引き替えに、FRBが米国国債を貸し出す。これにより、少なくても担保としての役割を期待させる存在に戻しただけでも、「FRBはよくやった」と私は思うのです。お荷物になってしまって困っていたものが担保と認められ資金調達が楽になる。救われた金融機関は多いと思います。今回の対策も、中央銀行と政府間で危機感の共有があったればこそ、実現したのではないでしょうか。少しずつですが、改善の方向にあると私は思います。
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