私は今年の念頭に、相場のメドとして日経平均株価12000円、ドル為替102円、国内長期金利1.2%を想定していました。ここまで見ておけば、その範囲内で止まるだろうと考えていたわけです。しかし、すでにドル為替は100円割れ、日経平均株価は目前、国内長期金利は1.3%を割り込んできました。
 株価がここまで下がり、確定ではないとはいえ配当利回りが2%を上回る日本株投資の今後を怖がり、10年で年1.2%を割り込む低い利回り水準の国債に敢えて投資する意味。
預金だけでは心配、円資産だけでは心配と、円高を待ち続け、120円台のドル為替水準でもドル投資を考えていた人が、100円割れの円高を見て、今後の外貨投資に躊躇する。
 投資が投機に変わるとき。
「この水準は割安。いずれは妥当価格に戻る場面が期待できるはず」    ?
                 ↓
「妥当水準には戻ってきたけど、相場には行き過ぎがあるもの。値上がり利益を楽しむとき」 ?
                 ↓
「割高な水準だとは思う。だけどもっと割高になると思う。値下がりし始めたら逃げればいいや」?
 投資は?から?に移るときは慎重な投資姿勢が必要で、この先高値で売れないリスクを十分感じて投資しなければなりません。しかし、実際の投資行動は?から?にかけて「えいっ、やあ」と「みんなで渡ればこわくない」的な行動に走りがちです。
 一方現在は今が底であるかどうか定かではないですが、一時に比べて大きく価値が低下した日本株とドルが現実にあります。「日本経済、米国経済が破綻して、国際社会から途絶される。米ドルの存在は今後無視され、価値がなくなる」という認識をお持ちの方は、日本株式投資にも、米ドル投資にも慎重になるのは仕方ないと思うのですが・・・。
 私が2000年に「こいつはすごい投信だ」と思った投信がありました。その投信の投資方針は「目先の割高割安にはこだわらず、株価が10倍になる企業を発掘する」というものでした。10倍になると思えば、どこの国の、どんな小さな企業でも投資する。つまり10倍になるかも知れないけど、破綻してなくなる可能性も十分頭に置いて投資しなければならない企業に投資するものでした。
 運用担当者は「10のうち、いくつか破綻しても、10倍になる銘柄をいくつか発掘できれば、投資家に喜んでもらえる結果が出せる」と、株価が10倍になる銘柄を発掘する目に期待してほしいと訴えていました。
 この投信の成績は一般の投信の成績が振るわないときには立派な成績を出し続け目立ちましたが、その後世界同時株高にはいると目立たない成績の投信になってしまいました。株高に向かう環境では割安に放置されている企業が少なくなり、しかも10倍になるかも知れない企業が注目されないわけがないからだと思います。したがって、その投資信託は理念を貫くことが出来ず消えていきました。
 そして今まさに、私はその時期が来たと思っています。もちろん、私には株価が10倍になるような企業を発掘するような目はありませんから。コツコツと割安なものを拾っていく程度のことですが。
 当たり前のことですが、株式投資に限らず、大事な資産を増やす投資は割安な局面で種を植えるものですよね。