「スコアリング」ってご存じでしたか?融資を希望する企業の財務指標をコンピューターに入力し、信用リスクを自動的にはじき出して融資の可否を審査するモデルです。短時間に審査結果を出せるシステムとして、銀行側は手間がかからず、借りる側はすぐに結果が出て助かる。申し分のないシステムのようでした。しかし、これを売り物にして融資をのばしていた「新銀行東京」が多額の不良債権を抱えてしまったことから、当初このシステムを積極的に推奨していた金融庁は「もう勧めません」と方針を転換。今後は金融機関が自主判断で取り組むように促しました。
 私の耳にさえ、他から融資を断られた先がダメ元で「新銀行東京」のスコアリングにかけたら、融資が通って「助かった」と融資を受けられてビックリした話を聞いています。
融資は金融機関にとって「投資」と同じこと。コンピューターで数値を打ち込んで、モニタリングした数字を個別の状況を検討することもなしに投資すれば痛い目にあうのも当然ではないでしょうか?
「PERが13倍以下、ROEが10%以上、PBR1倍以下。えーとそれから・・・。東証一部銘柄。これでどうだ・・・?うーん。53銘柄か。それじゃあ、全部買い」
 こんなやり方で、自分の投資目的にあった投資対象が見つかると思いますか?53銘柄を再度、自分のものさしで吟味して、更に選別していく必要がありますよね。結果調べてみると、53銘柄全部が自分の投資目的とずれていて採用しないかも知れません。そのときに、改めて「さきほどの条件ではだめだったようだから、次の条件を考えて検索しよう」ということになります。
 このように条件設定は相手を見ながら変えていく柔軟性が必要です。一律な条件で機械的に行おうと考えること自体無理があったのではないでしょうか?
 これと同じことが、ラップ口座を設定するときに投資家の最適なポートフォリオを提案する過程で行われる、金融機関と投資家の間で交わされる聞き取りアンケートで行われている可能性があります。投資スタイルは、「自分が今後どう生きていきたいか」で変わりますし、時間とともにニーズも変わりその都度変更が必要なものです。「一般的には・・・」という数字は便利ですが、できれば自分の実情にあわせた数字で考えたいものです。しかし、その数字の検証を積み上げていくことはえらく時間と手間がかかるものですから、どうしても「ガラガラポン」の数字を入れるだけであっという間に提案できるシステムが重宝されてしまいます。
 ラップ口座の投資家は「新銀行東京」の立場です。結果責任は投資家になるわけですから、もしラップ口座を勧める先が、「ガラガラポン」で答えをすぐに出そうとする金融機関であった場合は注意が必要です。早く答えを出そうとするのは金融機関側の事情であり、あなたのためを思ってのことではないと思われます。
 ところで再び相場は分岐点に入りました。米ドル102円、豪ドル94円、日経平均株価13000円が底堅くなれば割安から妥当価格へ、また再びガクッと大きく下げて、その水準が上値の壁になればただのアヤ戻し。個人的には大きな調整に入って半年に入り、そろそろ底のメドが立つ頃合いかなと期待しています。