本日の日経に「東京、戻らぬタクシー客。値上げで増収、思惑はずれ」という記事がありました。昨年末に値上げした東京都内のタクシーの客離れが止まらず、3月の運送収入が前年同月よりも3.1%減ったとのこと。昨年値上げ直後の12月が2.8%、1月2.1%、2月0.5%とずっとマイナス続き。売り上げはタクシー料金×利用客数。タクシー料金を上げても利用客数が落ちれば当然売り上げが増えるとは限らない。
 通常利用客が減れば、利用者を増やそうと料金を下げるのが普通。しかし、魅力的な料金設定をしなければ利用客は戻ってこないので、料金を見直し下げても利用客が戻る保証はない。したがって、恐くて下げられない。利用者はタクシーの代わりを探し、タクシー自体のニーズはもっと縮小。じり貧。
 しかし原油価格は不思議です。何故上がる?こんな短期間に2〜3倍になったにもかかわらず、まだ上がるという。原油の実際の売り上げは伸びているのだろうか?売り上げ=単価×量。国内のガソリン需要を見る限り、確かに単価は上がったけど、値上がりにより消費が手控えられ、売り上げは落ちている模様。日本や米国など通貨が弱い国はガソリンが高くて消費を手控えているけど、通貨の強くなっている国では依然消費需要が強いのだろうか?
 データがなく根拠もありませんが、「実際原油自体を買うニーズはないけど、値が上がりそうだから原油を先物で買おう」という投資家?投機家のつけた値段が一人歩きしているだけで、実際の消費は国内で起こっているようにかなり落ちてきているのではないでしょうか?
 もしそうだとすれば、現在投資している投資家、投機家の「値が上がりそうだから買う」という根拠が揺らぐほど、原油在庫が目に見えてだぶつくような事態が頭をかすめただけでも、大きなショックが走りそうな気がします。買っている価格に根拠を失ったときの動揺の例は昨年8月から何度も見てきました。
 原油120ドルの水準は割安?妥当?それとも割高?確実に上昇が期待できる水準はいくらなの?そして下落するとしたらどこまでの下落を覚悟すればいいの?そんなことを考えて、現在の水準を眺めてみると、「将来のインフレが心配だ」とか、「原油も分散投資の対象として必要だ」とかいう根拠があったとしても、とてもリスクに見合ったリターンがそこにあるとは私には思えません。
 消費者が納得する製品価格を超えたら消費に躊躇するのが当たり前。原価が上がっているからという理由で製品価格に転嫁することが許されるのは緊急事態であり、緊急事態が長続きするわけがありません。タクシー料金しかり。マンション価格はすでに値崩れが一部で発生しています。
 年金のように、大きく減らすことをまず避けなければならない資金を私が運用するのであれば、「原油は分散投資のために買い」ではなく、「これまでご苦労さん」と利食いで利益確定を行います。