「米国金利の上昇を唱える人が増えてきたが、今後をどう考えたらよいか」というアカデミックぽい話や、「住宅ローンの金利はどうなるのか?」という身近な話まで、金利の行方は誰にとっても関心事です。株式や不動産を持っていなくても、預金もなく、ローンもない人はほとんどいないでしょう。
つまり株価や不動産価格の今後の動向よりも、金利動向の方が本来気になるものです。
 しかし世の中に、株価の将来を語る人、不動産価格の将来を語る人は、ゴチャマンとたくさんいますが、金利の将来を語る人は少ないと思います。株価や不動産価格は、日常実感できる事象が多くありますが、金利が上下に変動しても日常生活に影響がなく、金利が行き過ぎて上昇したり、低下した極端なときにしか話題にならないからだと思います。
 本来は金利が行き過ぎて動く前に、我々はそれに準備しておいた方が良いに越したことがないわけです。だけど「金利の見方は専門家に聞くもの」と大抵の方は金利予測は素人には難しいと思い込んでいるようです。金利の天井や底をあてるのは、株価の天井、底をあてるのと同じです。しかし、金利が上がる方向にあるのか、下がる方向にあるのか、の目安を立てることはそれほど困難なことではありません。
 何故金利が上がるのか。お金を貸したい人よりも借りたい人の方が多いから。
 何故金利が下がるのか。お金を借りたい人よりも貸したい人の方が多いから。
当たり前と言えば、当たり前のことです。
そこで金利予測をするために、注目すべきは「お金を借りたい人」と「お金を貸したい人」とどちらが増える方向にあるのか、という「借りたい人」と「貸したい人」の需給のバランスと、
政策の方向性が「お金を貸したい人を減らす」後押しをしているのか、「お金を借りたい人を減らす」後押しをしているのかを読むことが金利予測の原点です。
 「こんなに金利が下がってきたら、お金を借りてでも投資したい人が増えるよなあ」と思えば、「お金を借りる人が増える」から金利は上昇する方向。「銀行が貸し出しをしにくくなるような政策が増えているよなあ」と思えば、「お金を貸す人が減る」から金利は上昇する方向といった具合に。
 「前川さんが出した本は再版かかりそうですか?」という質問をよく聞くようになりました。これは「売れているのか?」と興味を持って聞いてもらっているのではなく、「やっぱり売れてませんか?」という確認であることは言葉の調子で分かります。
 「宣伝も特にしていない」、書店に行っても「見当たらない」。本の存在さえも知らない人がたくさんいます。ある意味、みんなに読んでもらいたい本ではありません。「投資に興味を持っている人」、「投資相談の窓口に立ち、顧客の役に立ちたいと考えている人」、そして「金利予測を自分で出来たらなあ」と考えている人であれば、きっと参考になる部分を見つけていただけると思います。
 できれば「読んだ人の口コミ」で読者が広がるのが理想なのですが、何分にも存在さえも知らない人が多い中では、手前味噌の宣伝をさせていただきました。絶版になるまでに、なるだけ多くの人に目を通していただきたい内容です。立ち読みをするほど本が出回っていないので、ご迷惑をおかけしています。読み終わった方は回し読みを、公共の図書館では取り寄せという奥の手もございます。是非一度、「いま債券投資が面白い」を手にとってご覧いただければ幸いです。