「責任を取ってやめなさい。首相にも任命責任がある。あなたも退陣しなさい」。前回の社保庁の村瀬社長のときと同様に、村上ファンドに投資をしていたことがわかった福井日銀総裁にも、野党は辞任を要求しています。結果福井総裁を辞任させ、小泉首相を退陣に追い込めるのであれば、それは野党の戦略として有効なのかも知れませんが、実現することはほとんどあり得ない状況です。国会も国民の血税で開いているわけですから、もう少し大切に思い、意味のある議論をしてもらいたいものです。会期終了までの時間つぶしで議論されていたのでは堪りません。
 村上ファンドへの資金拠出問題は、まず1999年の拠出時に村上ファンドの投資=賄賂という認識が村上ファンド側と当時一般人だった福井氏側にあったかがポイントだと考えます。賄賂とみなされたリクルート事件のリクルート株は、「上場直後に売却してもかなり儲かるはず」と誰もが思った投資話で、中には借金で購入した人もいたぐらい、値上がり確実で短期で儲かるという認識がありました。
 村上ファンドの場合はどうでしょうか。立ち上げで実績がない村上ファンドの資金集めに、村上容疑者本人が夢・志を訴えて歩いたと聞きます。しかもその後ITバブルがはじけ、村上ファンドの成績にも不遇な時期がおそらくあったでしょう。現在儲かっているからという理由で、長期投資をした人を責められるのでしょうか。村上ファンドの拠出金は成績不調で大幅に減価して出資者に戻される可能性もあったわけです。リスクテイクして、結果儲かったから「あなたの行為は下品でした」と言われては堪りません。もし福井総裁が、儲かった実績を見て追加投資を行ったのであれば別ですが。
 野党の議員さんに聞きます。あなたは実績のないファンドに、当人の言葉だけを信じて1000万円を託すことができますか。私だったら、実績を確認せず大金を投資することは怖くてできません。