最近、日経新聞の記事を引用することが多くなりましたが、本日も日経記事ネタです。「国債新型窓販、6月債53%増、利率急上昇で好調」という記事です。
 「国債新型窓販」になる前は、金融機関の多くは自己責任で国債の販売を引き受け、売れ残れば在庫になって国債の金利変動リスクを金融機関が抱えることになっていました。販売する国債の種類は2年国債、5年国債、10年国債です。
 どうですか?金融機関の窓口で変動金利型10年個人向け国債や固定金利型5年国債の案内を受けたことはおありでしょうが、2年国債、5年国債、10年国債の案内を受けたことがある人はほとんどいないのではないでしょうか?
 それは「売れるかどうかも分からない。しかも在庫にしたら自分で在庫を抱えてリスクを負うかも知れない」普通の国債をあえて預金者・投資家に案内する金融機関はほとんどありませんでした。
ところが「国債新型窓販」に変わると、金融機関は売れるだけ売って、残れば返せる仕組みになりました。これなら、金融機関はノーリスクで、品揃えを増やすことになるので、「案内しても損にならなくなった」わけです。
 さらに今回の固定金利型5年個人向け国債の利率は1.22%。この利率は前回の0.81%よりも大幅アップして注目されていたのですが、その後さらに市場金利が上昇したところで条件が決まった5年国債の新規発行条件は、もっと魅力的な利率1.5%になったわけです。
 5年1.22%の個人向け国債の条件がいいと思っていたのに、更にもっといい条件の5年利率1.5%が登場したわけですから売れないわけがないですね。しかし、これに気付いたのは、これまで金利に関心を持っていた一部の預金者であり、おそらく金融機関の大抵の担当者は、いつも通りに取り扱っていたのだと思います。「もったいないですねえ」。この金利環境で、この投資環境で、預金者のドンピシャのニーズがあったはずなのに。たとえ、国債を購入してもらわなかったとしても、預金者との貴重な会話のきっかけになったかも知れないのに。
 この6月の「国債新型窓販」の機会に、預金者向けに何も手を打たなかった金融機関は猛反省すべきでしょう。
 だって、だって、「個人向け国債の固定金利型と、普通の5年の国債とどっちがいいかな?」って、みんな、みんな、聞きたがっていたんですよ。金利の物足りなさにずっと悩んでいた預金者の相談に乗れる機会だったんですよ。前月よりも53.4%増えたといっても6月の国債販売額はたったの1786億円です。金融機関はもっと金利に関心を持った方がよいと思います。