アイススケートのスケーティングをうまくなろうとしていたときに、先輩から「速く滑りたいと思うなら、まず止まることを完璧にすること」とアドバイスをもらいました。止まる術がないと、速く滑ることが怖くなり上達度が遅い。いつでも止まれると思えば、「多少無理なスピードを出しても大丈夫」という平常心が得られるからです。止まる術が中途半端だと、上達の伸びに限界がすぐ見えてきます。
 これは投資にも通じることです。リスクを知ることが投資の幅を広げるために大事なことだと思います。本日の日経新聞朝刊記事に「インフレで預貯金、目減りの危機」という内容があり、そこで私は「高い利回りを狙って無理にリスクを取るのは危険。物価上昇による目減りは投資の損よりも小さいと割り切れば預貯金も悪くない」というコメントをしました。
 「日本株投資のチャンスとか言っているくせに」とこのコメントに違和感を覚えた方もいらっしゃるかも知れません。
 来週、日経平均株価は13000円を割り込み、もしかしたら「えっ」という水準まで下落するかも知れません。しかし、それは私にとっては悪い話ではありません。「どこまで株安があるのか。どこまで売り込む人がいるのか。どこまでドル安があるのか。どこまで売り込む人がいるのか」を楽しみにしています。それが、前回売り込まれた日経平均株価11700円、米ドル95円をつけた後の新しい底値になると考えているからです。こうした「下げメドの確認をする」という意味では、この1〜2週間は興味深い期間だと思っています。
 しかし、こうした株価や為替の動き、変動リスクに慣れていない、理解できない人が、回りに惑わされて「ちょっと投資してみようかな」と参加すると、しばらく気持ちが休まらないかも知れない相場が続くと思います。したがって、そういう人は「インフレ時代に入り預貯金は目減りするから投資をやらなくちゃいけない」とリスクを理解せずに取り組むなら、インフレ分預貯金の価値がマイナスになる期間が2,3年続くと割り切って、預貯金のままで過ごした方がよいと私は思っているからです。
 大きな損をして投資する意欲をなくすぐらいなら、多少の目減りに耐えることをお勧めします。
リスクを知る人にとっては、中長期の投資を考える機会として魅力的だという考え方に変わりはありません。