ファニーメイ(米連邦住宅抵当公社)、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)。市場から追い立てられる形で、ついに米国政府・FRBは両社への資本注入の検討を表明しました。
米住宅ローン残高の約半分、社債の発行は米国国債よりも多い。そんな巨大すぎる米住宅金融公社をつぶすわけにはいきません。米国の通貨危機を飛び越えて、世界同時金融危機まで及びかねません。ある意味、遅すぎる決断でした。
 ファニーメイの株価は70ドル程度から10ドル程度に、フレディマックの株価は63ドル程度から7ドル程度に、この1年間で急落しました。米住宅市況の低迷で、業績・財務の大幅な悪化。今回の措置でも、業績回復への道筋は見えていません。そのため株価は下げすぎた反動によるリバウンドは期待できますが、本来の業績期待で買われる展開は期待薄の状態です。
 しかし債券の価値は事情が異なります。業績がたとえ悪くても、債券に投資している人にとっては、他から借りてでも元利金の支払いをしてくれればOKです。しかも、そのスポンサーが政府、中央銀行であれば、当面の心配はありません。同じ住宅金融公社に投資するなら、業績に左右され、今後の株価の動きに買い材料が見えない株式よりも、財務面で光明が見えてきた債券に注目が集まります。
 これは新興国株式と新興国債券の場合にも当てはまると私は考えます。同じく信用リスクが気になる投資対象ですが、株式と債券の特性の違いに今後ますます注目が集まると思います。
 金融庁はこの「フレディマック」、「ファニーメイ」の米住宅金融公社が発行する債券について、各金融機関がどのくらい保有しているのか、実態調査に乗り出したとのことです。こんなことをすれば、金融機関はこの債券を持つこと自体に負い目を持つことになります。この調査を行うことで、金融庁は金融機関にどんな指導や手助けをする用意があるのでしょうか?いたずらに不安心理や警戒心をあおることにならなければよいと思います。
 普通に任せれば、リスクを取る余力のある金融機関は「割安になった債券」に投資する行動を取ったでしょうが、「当局の目があるから、おとなしくしておこう」と本来の投資チャンスをサラリーマン感覚で見逃すことになるかもしれません。サブプライム問題が発生して1年間たった今、何故なのでしょうか?もし必要なら、もっと早い時期ではなかったでしょうか?「今まで把握していなかったのか」と言われないが為の調査なのでしょうか?非常に疑問です。