一時は銀行の窓口販売で収益の糧になった「変額個人年金保険」の運用が低迷し、契約が伸び悩んできたため、「購入手数料ゼロ」などとうたって、販売にてこ入れをするという記事が日経にありました。
 購入時に4〜5%の契約初期手数料を取り、運用期間中は保険にかかる費用と運用にかかる費用を毎年3%程度取り、しかも短期で解約する場合はビックリする解約手数料を取り、やっと年金として受け取れると思ったら、そこからも受取時に手数料を徴収する。物言えば手数料が取られるような仕組みで、当初から「手数料が高い、取りすぎ」という批判がありました。
 そこで今回は販売低迷により、世間の非難を受け止めて、「大幅に手数料をダンピングする」新商品を投入するとのこと。これって、当たり前のようにも感じますが、非常に安易なことだと私は思います。新商品の手数料を下げますが、今までの手数料を払い続ける既存商品を購入した顧客にはどのように説明するのでしょうか?「皆様から手数料が高い。取りすぎという批判を受けていますが、今後もその手数料に見合った仕事と評価していただけるような試みを続けて参ります」という宣言と実行が必要なのではないでしょうか?
 「手数料が高いのが不満なら、少し下げて売りやすくするか」。そもそも、「その手数料の設定に根拠はあるのか」と疑われます。そんな簡単に手数料を引き下げる程度の仕事しかしていなかったのか。投資家、保険者、預貯金者の「手数料不信」を醸成しているのは、業者のプロ意識の欠如から来ているのだと思います。「他はどれくらい」と横を見て、そして黙ってても売れる売れ筋商品なら「他よりも多く」手数料が欲しい。自分たちのサービスの価値を度外視して。
 「うちはサービス、アフターフォローで勝負します」という業者が現れないと、業者全体の信用が沈没していきます。顧客は、「どの業者も同じだ」と思い始めているわけですから、「業者によっては違うんだ」ということを業者側から発信しなければ誰も気づいてくれません。
 このままでは「看板が立派なところ」と「おおぼら吹く胡散臭いところ」ばかりが業者で目立ち、それは決して投資家、保険者、預貯金者にとって好ましい環境ではありません。