相場を眺めていると、妥当水準に留まっている時期はほんのわずかな期間しかなく、大抵は浮かれた買われ過ぎであったり、悲観した売られすぎであったりする期間の方が長いように思います。どうも今は、行き過ぎて買われすぎたものが妥当水準を模索する段階に入ったように感じます。
 通貨ポンドは「ユーロに近くて、ユーロにあらず」とユーロと米ドルが基軸通貨争いを続ける中で絶妙な位置をキープし存在感がありました。ところが、今年7月を境にして、弱含みのトレンドに入っています。円に対してポンドは197円60銭まで安くなり、昨年の250円台が嘘のよう。3年前の水準です。米ドル対しても1.817まで安くなり昨年の2.1台よりも3年ほど前の1.75の水準の方が近くなりました。英国、ポンドは金融のメッカ。信用収縮のあおりをもろに食っている表れのように思います。
 この春先に行われた国内企業の2007年度決算では、最高益の発表に違和感を感じながらも、4-6月期では良い決算の中に「減益」という文字が目に入るようになり、最近では資金繰り倒産の記事が目立つようになってきました。
 商品市況欄には、相変わらず「値上げ」の文字が目立ちますが、その中に「値下げ」という文字も混じり始めてきました。建設資材、マンション価格、石油製品、自動車・電気部品。
 インフレ懸念よりも景気後退懸念の方が深刻。しかも世界同時。消費はいったん慎重になると、お祭り景気が訪れない限り、人の気持ちは浮かれることがなくなります。衝動買いはなくなり、「良いものを安く」という限定買いに走ります。供給側も無駄なものを作らなくなります。
 信用収縮は需要の収縮となり、人々は「今まで何でこんな無駄な買い方をしていたのか。何でこんな高い買い物をしていたのか」と一斉に反省します。これって、いつか来た道。
 もう少し時間がたてば、「何でこんな良いものがこの価格で放置されているのだろう」という割安を見直す時期が再び来ます。
 今回の経済対策が相場に与える効果は未知数ですが、少なくても「何もしない、何も出来ない政治」が経済・金融に向けての一歩を踏み出す宣言を行った意味はあると私は評価します。
後は「言ってみただけ」ではなく、いかに実行するかが大事ですね。