株式の出来高で、ミニ株先取引などのデリバティブ取引が伸びて、現物取引を上回るようになったらしい。ミニ株先取引で少額の資金でも参加できる仕組みにより参加者が増えたとの事。
この記事を素直に、「今まで参加できなかった投資余力の小さな投資家にも道を広げた」、「今後はこうした個人投資家の動向が株式市場のキャスティングボードを握るだろう」と前向きに受け止めてよいのだろうかと疑問に思います。
 「株式現物株の売買単位を100株から10株に引き下げて投資家が買いやすくする」のは、参加者を広げる意味で価値があることです。しかし、ミニ株先は少額の資金で大きな資金で行う現物取引の利益を追求できる取引。逆に言えば、少額の資金で大きな資金で行う現物取引の損も受け入れる覚悟が必要な取引です。株式取引のハイリスク・ハイリターンの度合いを更に大きくした取引手段です。一方、株式現物取引の売買単位を引き下げても、リスクの大きさは変わりません。
 以前は株先、信用取引は、リスクを熟知し、経験豊富で、しかも投資資金を十分用意された人しか参加できなかった、ごくごく特殊な取引でした。しかし最近は投資家の自己責任を大義名分にして、「本人が納得ずくであれば」と、インターネット取引で誰でも、このごくごく特殊な取引を行えるようになりました。こうした取引にチャレンジする人は投資に前向きな人であり、投資のフアンが多く、いわゆる証券業界にとっては、大事な有難い投資家層であるはずです。
証券会社の人に聞きたいのですが、証券会社の経営トップの方にお伺いしたいのですが、 
株式の経験も知識も、胆力もなく、しかも助言者もいない。
「現物取引の何倍も、何十倍ものリスクを取って行う株先取引で、結果的に自分ひとりで利益を上げられるようになり、ハッピーな日を迎えられる投資家がどれほどいるとお考えでしょうか?」
目先の収入源にくらみ、大事な投資家層を失うことになりませんか?
「投資家の自己責任」が全うできるように、インターネット取引の今後に過大な期待をしたり、インターネット取引に誘導して販売会社の責任回避ばかりに一生懸命にならず、投資家の声を受け止める仕組みづくりに、投資家から見える努力をすべきではないでしょうか。
このままでは、東証1部さえも、新興市場並みの自己満足マーケットになってしまいます。投資家が投資家を呼ぶ市場が理想です。しかし現状は、物が言えなくなった、顔が上げられなくなった投資家が増えているのを他人事で見ている状況です。投資家にとって生きづらい、この環境を投資業の関連各者はただ放置していてよいのでしょうか?