注目されていたシティグループの今年2回目になった個人向けサムライ債の条件が決まりました。
期間3年、利率3.22%。円建てとは思えない高金利での発行条件となりました。一般に金利1%程度が優遇金利であった当時に、1%を優に超え、しかも2%も大きく上回る利率2.66%の条件設定した前回は衝撃的なインパクトを投資家に与え、たった4日間で1865億円を完売しました。
 今回はその条件をも大いに上回る年3.22%に条件を引き上げてきました。シティグループ、恐るべしです。「どうしてそこまでするのか?」と意図を聞きたくなります。ただ単に資金に困っているだけではなく、戦略がありそうな気がします。しかも、今回の募集予定額は3150億円。前回と合わせて、5000億円の調達になります。シティグループはサムライ債で年内7500億円を調達する予定だと聞きますので、残り2500億円。今回のサムライ債募集も順調だと、あと一回の発行でその額に手が届くところまで詰めてきました。
 みなさん、3150億円を個人で集める事って想像できますか?
一人平均1000万円で集めても、3万1500人の口座が必要です。100万円であれば31万5千人の口座です。前回も合わせて5000億円。5万人、50万人の口座です。そんなに、日興コーディアルの顧客でシティグループのサムライ債に興味を持ち、すぐさま投資してみようと反応する人が到底いるとは思えません。前回もわざわざ、シティグループのサムライ債を購入するために、日興コーディアルに新規口座を開設する人がたくさんいたと聞きます。それだけ、「あれだめ、これだめ」と投資対象が狭められて戸惑い、迷った資金が、現在でも個人にはジャブジャブしていて、このシティグループのサムライ債のような確定利付きものに一気に流れているのですね。売れ行きが注目されます。
 「利率3.22%という利率の高さ」、「3150億円という募集額の大きさ」に加えて、びっくりするのは、このタイミングです。格下げ必至とされているシティグループですが、それでも現在はピカピカの高格付け企業です。その企業が円建てで、期間3年、利率3.22%で発行してしまった後、「株式発行では調達できない」、「銀行借り入れはこれ以上無理」となり、社債やサムライ債で資金調達を計画していた企業は追い詰められてしまいます。
 格下げ必至のシティグループとは言え、されどシティグループ。「自分が発行する場合は、期間3年、利率3.22%以上の発行条件を提示しなければならないか」と計画内容を見直さざるを得ないでしょう。相当、このシティグループのサムライ債の発行を苦々しく思っている企業は多いと想像します。シティグループは罪な会社ですが、個人投資家にとっては今後しばらくは「確定利付きもの」に投資するチャンスが続きますので引き続き注目しましょう。
 一方、値上がり利益を狙う投資対象は土砂降り、底割れ状況になっています。「どこが底値になるのか」、確たる目安が持てない投資対象は中途半端に手を出さず底を確認できる機会を待った方がよいと思います。現在の売りは「いくらまでだったら売り」という目標がある売りではなく、「とりあえず手放さなければならない」という感情を失った売りです。したがって、売り切ってしまう目的達成までおさまりません。
 しかし、しかしですよ。不思議なもので、あれだけ持つことが不安で仕方なかったものを、いざ売り切ってしまった途端に、何故か、相場が反転するような気がして落ち着かなくなるんですね。
昨日や今日の動きを見ていると「ここでの追加投資は勇気がいるなあ」と感じている人が多いと思いますが、余力のある人は「こんな水準で投資できるのは夢のよう」と新規投資のつもりで楽しめると良いですね。「いいなあ」と現在余力のない人は、そう思える人を応援しましょう。「自分は買えないけど、きっと良い買い物になるよ」と。
 「どうせ売るつもりはなし」と決めているのなら、気を滅入らせて相場を見ていても何の得にもなりませんから、参加するなら楽しむ、参加しないなら再び興味のある水準に戻るまで忘れる。
中島みゆきの時代の歌詞のように、「いつかきっと笑って話せるわ」で行きましょう。