米国の総合金融安定化策の大枠が固まってきました。
「不良資産がいくらあるのか。実質債務超過になっているのではないか」という金融機関が新規資金の貸し付けに渋るのは当たり前だし、そんな金融機関と取引して自分もかぶってしまいたくないと考える優良金融機関があるのも仕方ないこと。しかし、それでも「金融に目詰まりが起こっては金融不安は高まるばかりだから、金融機関はリスクに目をつぶって困っている金融機関にお金を貸せ」と政府や中央銀行が言っても無理なこと。だったら、「あなたが貸せば?」と言われてしまう。
 そこでFRBは直接、金融機関に貸し出すことに。困ったら行って来いと。続けて、「不良債権は買取機関を作るから、処分できず困っているものがあるなら買い取ってやる」という機関の設立も計画中。不良債権処理のめどが立てば、金融機関同士の貸し借りの支障はなくなり、さらにその先の融資の貸しはがし、貸し渋りという課題解決の入り口につける。まずは金融システムの安定化なくして、景気回復は期待できない。
 日本でも2001年に発生したMMFの元本割れが米国でも発生しました。この時に、元本確保が当たり前のMMFに元本割れが発生したことで大混乱になりました。米国財務省はすかさず、MMFの元本割れ時には損失を補填し、MMFの換金を保証しました。日本で起こった混乱の教訓を生かしました。
 何で一日して株価が半分になったりするのか?「不法に空売りをかけて利益をむさぼる輩」が存在するなら、まず「空売り」を禁止し、そして内容を見て取り締まるぞという意思表明をしました。
米国の良し悪しは別として、「何を退治するのか」というメッセージが明確ですね。
また本日もため息ですが、日本にこの行動力は期待しても仕方ないのでしょうか?
このひとつ、ひとつ、大変な決断がいる話。その後の判断責任が問われる話満載ですが、米国は短期間で実際行動に移しました。「米国は大統領制だからできること」という話を聞くと「それだけ?」と疑いますし、「だったら日本のシステムはこのままでいいの?」と不安になります。
米国の事情は不案内で分かりませんが、日本のように重要法案を無責任に「先送り・骨抜き」にし、ほったらかしが許されているのでしょうか?おそらく、そうなっているのかもしれません。しかし、その中でも優先順位はあるように思えるのですが。
 3月のベアスターンズ破綻以降、米国は瀬戸際に立たされた政策運営を強いられていますが、私は危機に対する米国の行動力に敬意を表しますし、頼もしさを感じます。米国のこの頑張りが、この先の相場に対する期待感の支えになっています。