昨日は、友人が「個人向け国債のことで、郵便局や銀行で話を聞いたが、さっぱり内容がわからないので、説明してあげて欲しい」と顧客からの依頼を受けて訪問しました。「どんな疑問に対して、どんな答えをしたのか」を確認しました。内容を聞くと、投資初心者と投資の話が苦手な金融機関の担当者との、よくありがちなやりとりが浮かび上がりました。
 郵便局や銀行の担当者は、上司から「リスクの説明から始めなさい」と言われています。すると投資初心者はいきなり、カタカナ交じりの難しそうな話を聞かされます。そして預金と金融商品がいかに違うものかを説明されているうちに、初心者は気絶状態に入ります。たまに「得だとか損だとか」の話になると気を取り戻し担当者に質問をします。今度は担当者がどう答えようかとパニック状態になり、でも悟られないようにつとめて、その場しのぎの応対になります。初心者はその答えに納得していませんが、担当者が頼りにならないことだけはわかり、「投資の話は難しい」と思って帰えることになります。まさに、この通りの状況だったようです。
 私が友人に、まず個人向け国債を購入した場合の最悪の事態を説明しました。そしてそのときに、どのように考えたら気が楽になるのかという対処例を紹介しました。次に預貯金との違い、株式との違いを説明しました。最後にその人が投資をする場合に何を大事にしているのかを会話しながら確認を行い、個人向け国債がその目的に合っているものかどうかを一緒に考える機会を持ちました。
 彼女は説明を聞いて安心したと喜んでいました。「友人の知り合いに前川さんがいてよかった」とこれ以上ないうれしい言葉をいただき、私もよかったと思いました。一方で金融機関の担当者を気の毒に感じました。多くの金融機関の担当者は自分がそうありたいと思っているからです。それができていないとしたら、担当者だけの問題ではなく、金融機関の相談業務に対する取り組み方にズレが生じているのではないでしょうか。「金融機関の窓口で相談してから投資を始めよう」と思ってもらうには、質問を怖がるのではなく、前向きに質問に答えようとする窓口担当者が育つ環境作りが何よりも必要です。「●●銀行の窓口は親切丁寧に相談に乗ってくれるところだから」と紹介できるような金融機関、現れてください。