昨日は2ヶ月に1回会合を設けているメンバーとの懇親会の席で、「今回の相場でえらくやられている」という話が話題になり盛り上がりました。最近「この相場ではきつくやられていますねえ」という話題になると俄然話が盛り上がるんです。
 それぐらい今回の相場は、やられ方の濃淡はありますが、みんながやられている相場です。もちろん、100からいいところなしに20にした人もいれば、100が400まで儲かった場面があって現在80になってしまった人もいるでしょう。トップからのやられた割合は一緒なのですが。
 もう話がボロボロ出てきます。「あんなこと、こんなこと」。「いかにやられてきたのか」、「今後どうしたらよいか」と際限なく。おそらく、ほとんどの人が「話したくて、聞いてもらいたくて」ウズウズしているのだと思います。「周りの人はどんな風に考えているのか」と気になっているのだと思います。
 最近、特に銀行が投資信託などで評価損が大きな顧客に対して、フォローするアプローチを行う動きが新聞等で紹介されることが増えてきました。そこで、そんなやりとりができていればいいですね。ただ「お加減いかがですか?」的な形式的な挨拶で終わってなければよいのですが。
 最近気になるのは、販売する側が行政処分をくらうのを恐れる余り、「こういう売り方はしてはいけない」というガイドラインが多くなってきた点です。「高齢者には●●は勧めてはいけない。できるだけ、家族を同席して話をしなければならない」、「顧客との約定は、言った言わないという争い事にならぬよう、後で確認が出来る方法を取ること」、もちろん確認書を投資家に書かせることは増えています。
 世の中で運用に悩んでいる多くの人は高齢者です。今若い人もいずれ高齢者になっていくわけです。「高齢者に販売する注意」よりも、「高齢者が安心して投資できる、販売金融機関が安心して高齢者にも金融商品を案内できる」仕組み作りの方が喫緊の課題なのではないでしょうか。
 この間、常陽銀行が「手話による金融窓口」を創設するという話をニュースで知りました。こうした弱者や高齢者、そして投資に心が折れた人を救うことが、「貯蓄から投資」の流れで一番大事なことだと考えます。このままでは、インターネットを駆使して、自分で投資判断がビシバシできる、高齢者しか、投資が出来ない世の中になってしまいます。そんな人が世の中にどれほどいるのでしょうか?でも、将来に不安で、投資・運用に悩む人はこれからも減ることはないでしょう。そこにつけ込む、「振り込め詐欺」的な輩が活躍する場がもっと広がる可能性があります。
 金融機関が、そうした弱者に対して役割が果たせないのであれば、我々のようなFP業務を業とする、「それに応えたい」ものがたくさんいます。いるはずです。なのに、何故それができないのか。
それはFPの肩書きでは「これはやっちゃダメ。これは銀行業務の範囲。これは証券業務の範囲。これは投資顧問の範囲。これは税理士の範囲。これは弁護士の範囲」と制約が余りに多すぎるからです。逆に「これは非常に投資家から要望の高い業務だけど、本来なら●●業務の範囲。しかし実情、その業務の役割は果たせていなくて投資家に迷惑をかけている業務だから、FP業務として認めよう」と何故できないのか。
 こんなに相談したい人がいて、それに応えたい人がいるのに、何故ニーズが満たされないのか。金融の目詰まりと同様に、この際、業務の目詰まりの解消も重要だと考えます。
「FPに頼っても、こんなことしかやってもらえないんだ」。これは相談者にとっても、頼られたFPにとっても、非常にガッカリです。