ニューヨーク原油価格が60ドルまで低下してきました。ほんの4ヶ月前は147ドルをつけていて、180ドルだ! 200ドルだと騒がれていた頃が嘘のようです。その過程では、「120ドルは割高。急落場面に転じれば100ドルでは止まらず80ドルまでの水準訂正がある」と考えていましたが、まさかこんなに短期間に60ドルまで値下がりし、しかもまだ底値が確認できない状態になろうとは想定できませんでした。日経平均株価の8000円までの下げは考えていたけど、7000円割れを想定できなかったように、です。
 原油価格や株価については、景気後退・悪化懸念の高まりが更に価格推移の先行きを見通しにくくしている悪循環に現在陥っていると思います。しかし、それと主要国通貨の為替推移を同じに考えるのはどうかと私は思います。通貨の価値は、米ドルと円、米ドルとユーロ、ユーロと円といった相対的な価値の変化で動くものですから、独歩高や独歩安が長く続くというのは不自然であり、どこかで均衡し安定する場面が訪れるものだと考えます。その「どこかで」というのは、その通貨価値を守るべき国家が通貨変動に対する危機感を持ち、安定を強く望んだとき。市場に任せているうちは期待できません。特に現在は各国間で優先順位の調整が必要なぐらい、通貨の安定に対する危機感が高まっています。
 現在のところではまったく根拠の無い話で恐縮ですが、「現在の円、そしてドルが強く、その他通貨が弱い」ことを前提にした相場想定はむしろリスクがあるのではないでしょうか。
何度かこのブログで取り上げましたが、今は「強くなった円」、そして「相対的に強くなったドルをたくさん持っている」日本は、この機会をチャンスとすべき時期だと思います。
そしてトヨタやキャノンなど輸出に強く財務体質の良好な日本のリーディングカンパニーは著しく割安になった自社株を積極的に買い上げて、投資家の見方の正しさに勇気を与える機会だと思います。ソニーという会社は以前も「自社株買いは考えていない」と発言を行い、市場でひんしゅくを買いました。自社株買いをしないのであれば、「それ以上に有効な資金の使い道がある」と株主が夢を描くことができる提案をする必要があります。
 期待も込めてですが、来年の春先には「昨年の末の円高は何だったのでしょうかねえ?」と、現在の原油価格の推移のような会話になればと思っています。