本日の日経に「予想PER、15倍近辺に上昇。日本株、割安感薄らぐ」という記事を見つけました。
 「日経平均株価が26年ぶりの安値(7162円)をつけた10月27日に9.5倍まで低下したが、直近では15倍近辺に上昇。今期の業績予想を引き下げる企業が相次ぎ、日本株の割安感も次第に薄らいでいる様子を示している」という記事です。
 この記事を読んで「あれれ・・」と感じたのは私だけでしょうか?10月27日の時点と現在とでは企業業績で何が変化したのか?企業業績の予想を引き下げた結果がありました。しかし、企業活動が急に変化したわけではありません。
 株価は企業業績の先読みをして動きますから、企業業績の下方修正読んで株価は急落し、見かけ上の予想PERは下がりました。しかし、9.5倍という低PERになったにもかかわらず、投資家の買いよりも売りが多かったので株価が下げたわけです。それは、現在の株価水準が企業業績の下方修正に見合ったものなのか、まだ割高なのか、それとも割安なのか、確信が持てないため、依然売買が低調だったのでしょう。
 それがここにきて、「これまでの状況と今後の見込み」を加味した業績の修正を行い、多くの企業が大幅な下方修正をしたわけです。その結果がPER15倍近辺です。その15倍と下方修正前の9.5倍を比較して、割高・割安を測るのに疑問を私は感じます。
 株価の割高・割安を測るとすれば、修正後のPERの数字ではなく、15倍の根拠になった業績の下方修正の幅が、妥当なのか、それとも甘いのか、逆に厳しいものなのか、を見るべきだと考えます。下期の為替水準、原材料・人件費等のコスト、主力製品の売れ行き具合。おそらく、どれもこれも、楽観的な数字よりも厳し目の数字ではじいているところのほうが多いと思われます。
 現在の環境で一番大事なことは、「最悪の事態をイメージできているか」だと、私は思います。企業業績も同様で、「最悪これぐらいの業績悪化をみておけば、後で慌てることもないだろう」という数字を示した企業であれば、投資対象の選択肢として有力です。
株式投資の魅力はもちろん値上がり益(キャピタルゲイン)ですが、これ以上下がらないというキャピタルロスの可能性が小さな株式が見つかれば魅力的ですね。株式である以上、いずれ株価上昇場面は訪れます。
「下がりさえしなければ株式投資する意味がある」という投資家が増えてくれば、自然に相場は回復してくるでしょう。みんなで、「これはこれ以上は下がらないだろう」という株式をこれから地味に探していきましょう。企業業績の先行きに迷いがある現在の相場では、あてにならない利益をもとにはじいたPERはあてになりません。現在ある利益を守って増やせる企業に投資しましょう。そういう企業の株式が割安だと私は考えます。