米政府は大規模な米シティ救済策を発表し、これを欧米の投資家は好感し、相場は上昇しました。米シティの抱える問題は他の金融機関にも共通した課題であり、米国政府の負担が今後も膨脹していくことを懸念する見方もあります。
 昨日、米自動車ビッグ3の経営者が救済を訴えた際に、「経営難は経営の問題ではなく、金融危機に巻き込まれた」と答弁し、世論・市場からヒンシュクを買ったのとは大違い。
「米シティの不良債権問題は金融危機を解消する最優先課題であり先送りできない」という共通認識の現れだと思います。
 オバマ次期政権が異例のスピードで経済閣僚人事を発表するなど、「金融危機解決に向けて一刻も早く道筋をつけていこう」という意志も受け取れます。そんなに簡単にムードが変わり、金融危機が解決に向けて早く収束していくとは思えませんが、「チェンジ」のムードの広がりが市場に安心感を与えていく力になることを期待したいと思います。
 日本は海外のことを他人事に思っている段階にはありません。中小企業への貸し渋り・貸しはがし。地域金融機関の疲弊。生命保険会社の資本不足懸念。どんどん事態は悪化しているのに、「金融危機は日本には関係ないもの。日本の金融機関のやられ方は欧米に比べて小さい」とアホな見方をしています。
 日本の金融機関は欧米に比べて、もともと著しく利益率が低い業態です。もし欧米の金融機関のような不良債権が発生していたら、評価損を償却する原資はなく、いきなり破綻していたところがほとんどでしょう。少しの風邪引きがすぐに肺炎につながってしまうほど基礎体力が無い状態ではないでしょうか。何で「日本には金融危機は無縁である」かのような無策が続けられるのか、根拠を聞かせてもらいたいものです。欧米が金融危機の嵐が過ぎ去った頃に、日本だけがアタフタと引きずった話にならないことを願っています。あれほど騒いだ年末を控えての中小企業資金繰りを助けるという課題も騒いだだけで、企業の個々の自助努力を支援することさえ、政府には期待できそうもありません。お金の必要な先にお金が届いていないのは日本でも同様に起こっているのです。
 時間を無駄に過ごしている余裕は日本にもないはずです。ビッグ3の経営者と日本の政府がダブって見えます。