いよいよ社債の発行にも動きが出てきました。これまで個人が投資できる国内債券で投資を検討するに値する債券は個人向け国債ぐらいしかありませんでしたが、これからは社債の利回りにも注目してください。
 リーマンショック以来、社債・サムライ債の発行が止まっていましたが、先日紹介した「三菱商事」社債を皮切りにまた再開する動きがでてきました。
ちなみに、「三菱商事」社債の条件は期間3年、利率1.16%でした。みなさんはこの条件を魅力的に受け止めますか?
 同じ期間3年で「大和証券グループ」社債の条件は利率1.65%で同時期の募集が決定しました。
「三菱商事」と「大和証券グループ」。それぞれの利率は破綻するリスクに見合う、妥当な利率設定でしょうか?
 債券は途中で売却すると損することもありますが、無事満期を迎えることができれば額面金額を受け取れます。したがって、最悪破綻せずに満期まで持てる債券を、できるだけ高い利回りの条件で投資することが妙味となります。
 国債であればまず間違いなく満期まで持てる債券だけど、その分金利は低い。ここは金利条件は魅力的だけど、破綻の可能性がないわけではない。こうした算段が、債券投資には必要です。
「三菱商事」、「大和証券グループ」の場合、3年の間に破綻してしまうだろうリスクはどの程度あるのでしょうか。
 そして期間8年で「野村ホールディングス」も個人向けに期限前償還条項付社債を募集します。
条件は期間8年、利率3.60%です。この社債は期間8年で当初募集されますが、野村ホールディングスの判断で最短3年で償還を迎える条件がついています。
 つまり、この社債は場合によっては期間3年、利率3.60%の条件で満期を迎える可能性もあるわけです。
  どうですか?さきほどの「三菱商事」、「大和証券グループ」と比べて。
期間8年は、野村ホールディングスは破綻しないだろうという投資家向きですね。
また「オリックス」は久々に個人が投資できる転換社債を発行します。条件は期間6年で、利率1%、転換価額7138円。転換社債とはいつでも債券から株式に転換できる社債のことで、額面100万円と株価7138円のオリックス株式を等価交換できるものです。したがって、この条件であれば額面100万円当たり、オリックス株式約140株と同等の価値を持つことになり、たとえば株価が1万円になれば株式としての価値140万円(=株価1万円×140株)が意識され、株価の値上がりと共に上昇します。一方、7138円の株価を下回っていても、満期時にオリックスが破綻していなければ額面通りの100万円の現金として戻ります。ちなみに、オリックスの現在の株価は5380円。
転換価格の7138円を100と考えれば75%の水準です。「現在の株価水準は割安だ。転換価格の7138円の水準でも、期間6年を考えれば十分値上がり利益は期待できる」と確信している人向きですね。
さあ、このオリックス転換社債と前の社債とでは、どれが皆さんの興味を引きましたか?
いずれにしても、企業はこれからあの手この手で、個人の資金を当てにしてきます。そして個人が選べる選択肢がもっともっと増えていくでしょう。投資する、しないは別物ですが、これは個人にとって非常に好ましい環境です。信用収縮はすべて悪いものではなく、こと債券投資にとっては有利に働きます。新規投資のチャンスでもあります。是非是非、社債の金利の行方に関心を持ってください。