本日の日経の「地域金融ダイジェスト」に「岐阜の十六銀行が外国債券や仕組み債の営業を強化する」という記事が載っていました。
私は前々から提言をしていますが、銀行は投資信託や年金で手数料を稼ごうとする前に、まず預金に近い性格の債券を預金とは異なる選択肢として、預金者に提供するノウハウを積むことを積極的に検討すべきだと思っています。
 預金の代わりになる国債、外貨預金の代わりになる外国債券。それでは物足りないとか、保険が欲しいという人に、その次の「投資信託」や「保険」の選択肢を提供するのが、極々自然であり、現場の運用相談能力の向上にもつながります。いきなり預金とは全く異なる「投資信託」や「保険」を売らなければならない状況を作るから、説明不足や無理な勧誘につながるのかもしれません。
今はその「投資信託」、「保険」を売ることさえ躊躇しているので、銀行の店頭には全く活気が無くなってしまいました。
 そこで、今回外国債券を銀行で売ろうということになったわけですが、ここにも素直に喜べない点があります。外貨預金の代わりになる信用力の高い外国債券を案内しようというのであれば、私は評価しますが、今回の外国債券は「仕組み債」とのこと。株価連動とか、為替連動とか、もしかしたら商品価格連動?償還延長特約付かも?これは外貨預金の代わりではなく、「元本確保型投資信託」や「リスク軽減型投資信託」といった、説明不十分で販売してしまって評判の悪い「仕組み型投資信託」の代わりです。
 銀行はしばらく、Simple is Best を心がけて、「わかりにくいものは売らない」を家訓にした方が良いと思います。現場はすでに嫌気で充満し、顧客も「普通でいいよ」とあつものに懲りている状態にあるわけですから、「目先を変えて」という一時の戦略であれば慎重であるべきです。
 それよりも、原点に返って、預金に近い「債券」、「外債」。シンプルな債券をこの停滞した環境だからこそ、戦略商品として銀行で取り扱ってみませんか。私でよければ、どんな案内の仕方をしたらよいか、お手伝いしますよ。
 現在、債券の品揃えが充実しているのは、証券会社の、しかも大手3社です。しかし、証券会社が債券で一生懸命なのは、株も投資信託も売れないという八方ふさがりな投資環境だけ。
これではいつまでたっても、預金と同様に、知っていた方がよい金融商品「債券」の良さが広く伝わりません。常に預金業務を行う銀行であれば、一度債券が根付けば、ずっと有力な看板商品として残るのではと期待しています。
 私は断言します。銀行にとって今、「債券がいかに預金者ニーズに合うものか」を勉強し、検討し、戦略を練ることは非常に意味があることです。
くれぐれも、私が言っている債券は「投資信託」の代わりの債券ではなく、「預金」との選択が可能な債券のことです。
 銀行が預金者に「預金にしますか、それとも債券にしますか」と、この2つの金融商品を取り込む戦略に出たら、銀行以外の金融機関はそこからこぼれたリスク金融商品の取り込みに一生懸命になるしかありません。銀行に提言します。「早く、預金者ニーズのある債券投資とは」を勉強した方がよいですよ。