欧州通貨の下落が止まりません。対円でユーロは112円、英ポンドは120円を一時割り込みました。米ドルに代わる基軸通貨ユーロ。ユーロに近いけど、ユーロでない英ポンド。両方とも、米ドルの不安を補完する信頼できる通貨として注目を集め、評価されてきました。
 つい半年ほど前にユーロは170円をつけていました。つい1年半ほど前に英ポンドは250円をつけていました。当時のユーロ高、英ポンド高は、「確かに割高だけど、頼りない米ドルや円を持つよりはいいかも」というムードに支えられていました。
 私の07年6月16日付けのブログ「日本人は円安を喜んでよいのか?」では、それまでの4年間で円が大抵の通貨に対して3割〜6割も安くなっていて、しかも国内物価はほとんど上がっていない日本円資産は割安に放置されていると書きました。
 そしてそのとき、外人投資家にとって日本は非常に割安な状態にあり、国際競争力のある企業の株式は買いだと、今となっては全く的外れなことを書いてしまったのは恥ずかしい限りです。むしろ、「多めに外貨資産を膨らませた人は外貨資産を円に戻すチャンス」とアドバイスできれば正解だったのですが。
 現在は当時と全く逆の環境です。
以前、円の独歩高の時にある投資家さんはつぶやきました。
「前川さん、円が何故強くなっているかの根拠について、最近頭の中を整理してるんだけど、自分ではわからなくなってきたんだよ。実際円高傾向は今後もしばらく続くのだろうけど、どう考えても、以前円安の根拠になっていた理由のほうが、自分としては納得が行くんだけど・・・」
 私は「円の独歩高が今後も続く」という根拠に納得が行きません。円キャリートレードの巻き戻し?金利引き下げ余地がないから?流動性が確保された通貨だから?
相場だから行き過ぎはあるでしょうが、この円独歩高はいつまで続くの?
 ユーロは半年前、英ポンドは1年半前に通貨高からの通貨安へ転換しました。誰もがドル安・円安への進行を疑いませんでした。そして現在続く、円高・ドル高の進行。はたして日本円の半年後、1年後はどうなっているのでしょうか?
「高金利の通貨にはなりえない」円
「政治の顔がない」円
「国が抱えた借金返済の道筋がいまだに見えない」円
 
 そんな通貨である円が強さを謳歌できる猶予期間はそれほど長くは残されていないと私は思います。一年ぐらいたって、振り返ったら、どんな景色になっているかを楽しみにします。