本日の日経には「格付けが低い社債の、国債に対する上乗せ金利の拡大が止まらない。トリプルB格債で5%超に拡大」という記事がありました。国債利回りが年1%であれば、トリプルB格債の利回りは年6%以上ということになります。信用リスクが高まった結果、為替リスクを取らなくても、信用リスクを取ることで高利回りを求めることができる環境になりました。
 通常、格付けトリプルB以上の債券は投資適格債と呼ばれ、償還を破綻することなしに無事に迎える可能性が高い債券のはずなのですが、現在は「ここって危ないかも」という企業と同様に、「ここは大丈夫だろう」という企業も、株価同様に投資家が引っ込み、玉石混淆で売られています。
 特に米国では顕著で、国債利回りは史上最低金利近辺で張り付いている一方で、投資適格の社債でも15%を超える利回りのものが存在していると聞きます。つまり、「ここって危ないかも」ほどの信用リスクを侵さず、「ここって大丈夫だろう」という信用リスクをとることで、株式並みのリターンが期待できる投資環境だということです。当然、こんな投資環境で、同じ破綻リスクを取るなら、利益の回復が当面望めない株式に投資するよりも、社債投資を検討する投資家のほうに理があると思います。
 おそらく、本日の記事を見た読者が「投資適格で年6%程度の利回りがある社債に投資したい」と証券会社の窓口に行って求めても対応してくれるところはないでしょう。金融機関は、販売した後に販売した責任を問われかねない金融商品を案内することに非常に神経質になっているからです。
 しかし、この金融危機がもう少し落ち着き、いずれ「この企業なら大丈夫かも」というムードに変われば、破綻を心配する必要のない企業の中から社債を発行したい企業が増え、それならと社債投資を考えたい投資家が増えます。そして、玉石混淆で売られていた企業の中で玉を探る動きの中で、「こんな企業の社債でこんな高利回りが得られた時があったんだ」と振り返ることになるんだと思います。
 値上がり利益を狙う株式投資には興味はないけど、買って忘れていてもOKの債券投資には興味があるという人にとっては、刺激的な2009年だと思います。