3月末は企業の決算が集中する特殊月で、お金の動きも忙しくなりますし、企業の決算を意識した行動が思惑を生んで相場が神経質に乱高下しやすくなります。
 10年米国国債利回りは、たった一日で0.5%も低下したり、金(ゴールド)価格は900ドルを割り込んで一気に下落し相場は下落基調に入ったかと思った途端に960ドルまで急騰する。これも一日の動きです。米国国債利回りも、金価格も、それぞれ価格が乱高下する対象ではないはず。それぐらい、市場には無理なプレッシャーがマグマのように貯まっていると言うことなのでしょうか。
 「こんなに米国政府・中央銀行が国債を増発する政策に走れば米国国債利回りは急騰し破綻する」
「3月末に向けて円高需要は高まり、日本株相場は下振れしやすく、7000円を大きく割り込む日経平均株価、80円を大きく割り込む円高があってもおかしくない」
「3月末を越えられず破綻する上場企業が続出する」
などなど、年初から観測があり、多くの人、企業は、その覚悟をし、あきらめて、対応を打てる人は株が下がっていいように、為替が円高に振れてもいいように、思わぬ企業の倒産があってもいいように準備をしてきた。
 しかし多くの人のコンセンサスを得たとき、相場は理路整然とした定説を裏切るもの。
強くなるはずの円は円安に、弱くなるはずのドルはドル高に、金利上昇して当たり前の米ドル金利はなかなか上がらない。倒産のヘッジとして保険をかけたCDS(クレジットデフォルトスワップ)はかける人の方が余りに多くて割高な保険料となってしまった。
 3月末までは決算を意識した特殊な時期だからこのまま保険をかけるけど、3月末がさほどの円高にならず、さほどの株安にならず、さほどの倒産がなければ、かけ過ぎた分ははずそうと考えるところがあってもおかしくない。
 今回の株高、円安。そして今週起こった米国国債利回りの大幅低下、金価格の乱高下は、「これから株は高くなる」と考えた、「これから為替相場は円安になる」と考えた、「これから米国金利は低下する」と考えた、「金価格低下する、上昇する」と考えた、のではなく・・・・
逆の現象になってしまって、たまらず反対売買をした結果だった、新規の投資家が相場の転換を感じて参入したのではなく、保険をかけていた人たちがただポジションを戻したために起こった反騰だったと私は考えます。
 したがって反対売買がすめば失速するので、株高、円安の行方にも力強さはなくて当然。上がれば下がり、下がれば上がるの往来相場はしばらく続き、こうした相場で利益を確定しようと思えば、自分でこまめな手入れしなければなりません。
もしそんなのは無理という投資家であれば、中途半端な水準での動きには目もくれず「この水準で買えれば負けはない」というタイミングを時間をかけて待つ戦略が望ましいでしょう。
 いまだに、定説は「円高、ドル安、株安」です。「円高一服、円安基調への戻りも」とか、「株価底打ち、目先の懸念は遠のく」とかを唱える人が大勢を占めるまでは、株高・円安への振れ期待は持っていいと私は考えます。そういう意味では昨日米ドルが93円50銭までの円高・ドル安をつけたことは、100円程度まで円安に振れた後の反動で底が確認できた形になれば、極端なドル安を唱える人も少なくなってくるのではないでしょうか。くれぐれも前川の独り言です。