最近の株式投信はどれも似たり寄ったり、特徴がありません。そこにいくと、債券型投信は以前では考えられないぐらい、いろいろな種類の債券に投資が可能になりました。
債券型投信は古くは中期国債ファンド、公社債投信と円建て債券しかなく、グロソブの登場で先進主要国の国債全体に投資できるようになって。その後は、米国に絞ったもの、ヨーロッパに絞ったもの、オセアニア州に絞ったもの。分配金の受取方を選べるもの。そして、高格付けばかりではなく低格付けを対象にした、あえて信用リスクをとるもの。最近では、新興国まで幅広く通貨を選択できる債券型投信が出ています。
 よく飲み屋さんでは、「呑んだ後の感触が空を飛んでいるような日本酒」とか「切れ味が鋭いビール」とか、顧客のイメージを聞いて、それにあったサービスを提供する人が売りになる店も増えてきましたが、債券型投信も顧客のニーズに合わせた、その人の投資目的に合わせた投資信託を案内することが可能になるぐらい、選択肢が多くなってきました。
 逆に言えば、余りに投資対象が細分化されてしまったがために、販売する方の適切な説明能力が問われることになります。販売した後に、「こういう投資目的の人に、なぜあえてこの債券型投信を勧めたのか」と勧誘内容が合理的であったかどうかの判定がしやすくなるので、「目の前にその商品があったから・・・」という理由で売りつけることが難しくなったといえるでしょう。
 特に乗り換えの勧めはもっと難しいでしょう。「なぜあえてこの商品を解約して、この債券型投信に乗り換えるのが妥当と考えたのか」を説明する必要があります。
「債券型投信はもともと値動きが小さく、大きく損失が出ることはありません。長期投資で臨めば、安定資産にもなります」なんてことを、内容も見ず、債券型投信だからとひとくくりで扱うと、間違ったメッセージを伝えることになります。
 販売する金融機関にとっては、債券型投信の種類が増えることは厄介なことですが、投資家には選択肢が増えるのは結構なことです。
「株式投資よりも債券投資の方がいいんじゃない」と、比較検討できるようになった時代に感謝します。債券投資の幅が広がり面白くなってきました。