ついに日経平均株価は2万円目前となり、上値目標は22,000円は地味なところで、25,000円はビックリするにあたらず、4万円という声も上がってきました。
最近、続いて聞きましたセミナーでは、「株価は上がるのが当然。誰が売るのですか。買わなければならない人がたくさんいれば、少ないパイの取り合いになり、少しの買いでも上がっていくと考えるのが順当でしょう」と鼻息が荒い。
現在が高いと警戒感が広がっているのは理解できるが、それは普通の相場で考えた水準での話。これからバブルが進行すると考えれば、まだ始まったばかり・・・・。ここで弱気になるのは訳がわかりません・・・と、これまた鼻息が荒い。
現在の日本株買いの主役は、年金・共済、日銀、投資信託。そして売りの主役は個人投資家。外人投資家は中立で、強気の見方は、これから利上げを嫌った外人投資家は米国から日本へ投資マネーをシフトさせ、外人買いが本格的に加わり、出遅れた個人投資家がドテン買いへと転じ、バブル相場へまっしぐら・・・
という流れでしょうか。
個人的にも、2万円を抜けたら勢いがついてバブル化する話は否定しませんが、もしバブル化するのであれば相場は乱気流に飲まれ、上げた分反動のきつい下げを見舞う可能性が高まり、なにもせずに持ち続けていたら「なぜ、あのとき売っておかなかったのか」と後悔する人をたくさん作る展開がもしかしたら年内にも来るかも知れません。災いは忘れた頃にやってくるものです。
現在も株式相場に関心を持ち、安いところで買い、高いところで売る、「鉄火場相場」に参加している個人は株式投資の猛者の集まりだと思います。とうに普通の投資家の多くは、この相場についてこれなくなって、自分では選べないと投資信託で参加しているか、いつか買おうと現金にして相場の外にいるはずです。その猛者達が「日本株の水準は高いから売り」という判断は、おそらく将来振り返ると、高値ではなかったけどまずまずだったという評価になるのではないでしょうか。
にもかかわらず、なぜ、年金・共済はこの水準からも買う、買わなければならないのでしょうか。
株が上昇することに不快感はありませんが、高値警戒感があり、個人投資家の猛者達が高いと売っている一方で、国民の老後資産の大事な部分を担う年金・共済が自分たちの相場感ではなく、政府が買うことを決めたから買わなければならないでしょ・・・って機械的に買う様子には、どうしても納得がいかないのですが・・・
運用のプロであれば、バブルがはじければリスクを取って儲けようと考えた投資は大きな損失を抱える可能性をわかりきっているはずです。良いところで売って逃げられるのであれば大けがをせずにすみますが、人に言われて買う人が良いところで売るなんて芸当を期待できるのでしょうか。
個人の猛者達は違います。自分の裁量、自己責任でバブルと割り切って撤退できる人が多いのだと思います。
そういう意味では、勝ち馬に乗れという言葉があるように、おかしな話ではありますが、プロとされる年金の動向よりも個人の「買い」そして「売り」の動向を参考にした方が良いように思います。
確かにバブルに踏み出したのであれば、腕に覚えのある人は割り切って鉄火場へと乗り込んでもいいでしょう。大やけどをせずに戦利品をもって戻れるといいですね。