企業は忠誠心にかける社員に手を焼き、使ってみないとわからない派遣社員を多く抱え、仕事の質を世間から問われている。派遣業者は、優秀な人材確保に苦労し、派遣社員の待遇を高め、教育し育成しないと、企業の要求を満たす人材の提供ができず、頭数を揃えるだけでは生き残ることがむずかしい。
転職のキーワードは、?年齢?英語力?資格だと聞く。経験・営業力はプラスアルファらしい。「年を取ったのが悪いと言われても、どうよ」。若い方が柔軟性があり、吸収力があり、扱いやすいということか。
私の大和証券時代の最後は、非常に忙しい部署にいて、人の手が欲しかった。人が足りない。派遣社員も雇った。しかし社員でなくては任せられない仕事もある。人事に無理を言って、やっと来てもらったのは、定年を控えたベテランの人たちでした。ほとんどの方が営業一筋で、一線でバリバリやっていた人。最初は新しい業務に戸惑いもあったと思いますが、そこは経験豊かな人たち。同僚で口ばかりの人がいれば、「まずはするべきことをしよう」と引っ張ってもらい。伸び悩んでいる若手がいれば「あのとき前川さんが伝えたかったのはこういうことだよ」と、裏に回って諭してくれる。非常に助かりました。「前川さんはちょっと真っ直ぐ過ぎる」と忠告を受けたり、「そこが前川さんのいいとこだよ」と忠告や励ましの言葉も結構頂きました。若造をサポートしようと、いろいろなことを聞かせてくれました。感謝しています。
その皆さんは「今までいろいろ無茶なこともしたけど、最後にこんな新しい経験をさせてもらい、感謝しています。すこしでも残りの大和ライフで恩返しになればと楽しんでやっています」と活き活きと仕事をされていました。
「新天地で頑張るぞ」という気持ちは、新人でなくても持ち合わせています。経験に無駄はなく、それを生かすのが企業であり、派遣業者の役目ではないでしょうか。新人並みの報酬でも、仕事が継続できるならやりたいという人はいくらでもいます。経営で失敗した人が再チャレンジできる時代を作るのはもちろん必要ですが、普通の人が「年を取った」という理由で書類選考ではじいてしまう現状は、人材が欲しいと言っている企業や派遣業者の努力不足ではないでしょうか。心機一転に「老い」も「若き」も関係ないと思うのですが。年齢制限を設ける場合は、理由を明確にするべきだと思います。