「ダム建設は住民の願い」、「新幹線開通は住民の願い」と言うから、地元住民に話を聞くと賛否両論でむしろ反対が多いという話はこれまでにもたくさんありました。今回の貸金業法改正で融資金利が下げられたら困るという人は具体的に誰なのでしょうか。必要とする人と必要でない人の意見が目に見える形で議論される機会が足りないのではないのでしょうか。結論を急いだ結果、実行が9年先、5年先では急いだ意味がないと思うのですが。「何故実行までにこんなに長い時間が必要なのか、何故この期間が妥当だと判断したのか」の説明を是非聞きたいのですが。なんとなくでは、本当に将来実行されるのか自体が懸念されます。これって無責任な先送り?
今回グレーゾーン金利の廃止が焦点になっていますが、そもそも利息制限法の15〜20%は妥当なのでしょうか。確かに短期であれば、繋ぎ資金であれば、金利が高くても必要額を確保したいニーズは存在するので意味があると思います。しかしこれだけ高い金利で長期間借り入れを起こして、利息を返し、元本を返せるほどの利益率の高い商売があるのでしょうか。
私が好きな債券投資はお金を貸すのと同じですから、貸したお金が返らないのは自己責任です。その分、貸す際にリスクを配慮した金利を頂きます。つまり貸し手は相手の返済能力を測って合意した金利で貸したわけですから、全額が戻ってこない事態は常に想定しておくべきだと思います。借りた人は次回も引き続き借りたいと思えば、他から借りてでも工面するからです。それができなくて、お金が戻らない結果は融資したものの見誤りです。
他から借りて工面できないかもしれない人に、そもそも貸してはいけないのでしょう。普通の感覚であれば、元本の返済はおろか、利息の返済さえ難しい相手であることをわかっていながらお金を貸すことはしません。金利を高く取りながら、返済しないことの全責任を借りた側に着せようと考えるのは、融資のプロの立場として、少し情けないように感じるのですが。