ついに日経平均株価は17000円の大台割れ目前となりました。
2014年10月31日に、誰もが想像だにしなかった規模の日銀の量的・質的金融緩和の拡大が行われ、市場のサプライズに火がついて、為替相場は1ドル=110円台を抜け、日経平均株価は17000円台を抜けていく契機となりました。
私はそれまでは2015年春にはリスク資産の高騰相場は終わり、安全を求めた資金が債券相場に流入し、債券バブルに向かうと想定していましたが、この後に「黒田第二段バズーカ」と言われた一発により、株式バブル等リスク資産の高騰相場へと真逆の方向に向かい、株式相場はバブル相場に入ったと認めざるを得ない状況になりました。
その黒田第二段バズーカを放った水準まで戻ってきたことは感慨深いものがあります。日経平均で言えば、「14000円~17000円」は妥当圏、「17000円~19000円」は割高圏、「2万円超」はいくらになるかは相場の勢い次第のバブル圏だと考えています。つまり、現在の水準は、バブルで浮かれた精神状態はすっかり醒めてしまい、妥当水準をまさぐる心理状況まで戻されたのだと思います。
スタートよろしかった黒田第二段バズーカの後、悔やまれるのはやはり、「円安・株高」の成果に甘え、第三の矢を構えもしないで放ったらかしで過ごした政治の無策です。民主党政権のように、能力のない政権であればあきらめも尽きますが、能力があるのに、やろうと思えば出来たはずなのに、公約よりも自分のやりたいことを優先した安倍政権は非常に罪深いと本当に残念です。
「大きく儲けるよりも、まず資産を守りたい」のムードがマーケットを先導する相場展開がこれからさらに鮮明になっていくのだと思います。