日興コーディアルグループの不正会計処理の責任を取り、経営トップが辞任する方向で最終調整に入っていると報道がありました。「経営トップの辞任で事が済むのか」という声も当然あると思うのですが、事を重大に受け止めている姿勢を投資家に示すためには避けられないと私は考えます。もし「職務を全うするのが私の責任」とそのまま居座ってしまえば、「反省が見えない」、「他人事」、「事の重大さを受け止めていない」など、世間の非難する声は更に高まり、顧客の信頼が離れていく懸念があります。
今回の件で私も日興コーディアルの社員の方とやり取りしましたが、皆さん困惑していました。「申し訳ない」という気持ち。「証券会社として恥ずかしい」という気持ち。「情けない」という気持ち。今回の件が顧客のトラブルなど「現場」から発生したものではなく、現場が全く関知していない組織のトップで行われた行為で、心配する顧客からの問い合わせを受けても、「ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません」と謝る対応しか出来ないからです。
経営責任を取り、事実を明確にして、世間が「さすが日興コーディアル」と今後に期待してもらえる迅速で、わかりやすい、今後の対応を期待したいと思います。