今回、世界同時株安が起こり、当面ドル為替で言えば115円、日経平均株価で言えば16500円が割安の壁であることが確認できました。そして投資家の潜在意識の中に、現在の水準はまだ値上がりが期待できる水準ではあるけど、いつ急落する場面があってもおかしくないと受け止めているようです。
今回売っていたのは外国人投資家と目先筋の投機家、買っていたのは押し目があり割安になったら買おうと待ちかまえていた個人投資家。
買うこと自体はそれほど難しくないのですが、「ここでよし」と売却する決断をすることは勇気が要ることで難しいです。今後、おそらく今回のような急落が起こる期間はせばまり、頻度が多くなると思います。ここから参加する場合は、自分で納得して売却する目安を立ててから臨むことが大事です。「長期投資で投資するから余り慌てない」と、目標値を定めないで投資すると、いざというときに売却する決心が付かず、後悔することになりかねません。
BRIKs投信に関しても同様に私は考えています。目標値を決めて売却する準備をして、「自分は割高になったら売れる」という自信がある人だったらよいと思います。BRIKs投信など、新興国株式に投資する投信には、売却制限がついて長期間売れない仕組みだったり、売りたいときに売れないものがあります。こうした投信に投資するのであれば、宝くじのように、「結果を楽しみにして、途中は悩まない。無くしても楽しめたから良し」という資金と覚悟が必要でしょう。
今後の注目は外人投資家の動きです。日経平均株価が39000円まで行く過程では、「こんなに高くなるのはおかしい」と国内の投資家が日本株を売り、それを外人投資家が買う。そして、その後も外人投資家が買い上がり、日経平均株価はさらに上昇し、再び国内の投資家がバブルに乗っかって「買うから上がる、上がるから買う」の連日相場。気がついてみると、外人投資家は売り逃げていた。5月からの3角合併で外人投資家は日本企業を買い漁ると思っていたけど、実は低収益の日本企業よりアジア株の方が魅力的で、日本株を静かに高値で売却し、日本から資金引き揚げていたという話しになる可能性もないわけではありません。
株式投資は放ったらかしでうまくいくほど甘い投資ではありません。今後一層手入れが必要な環境であることをご留意された方がよいと思います。