「凍死家」のままでいいんですか?

 先週は、たくさんの人と出会いました。この一年間、いつも出会う人には「せっかくの投資を検討するチャンスに前向きな取り組みをしていないのはもったいないですよ」とお話しをしてきました。
「また万年強気の前川さんが出た」という人もいれば、「落ち込みそうになったら、また相談しに来ます」と励みにされている人もいるようです。
 冬山のような投資環境で、「凍死家」になりかけている、なりそうな投資家に「眠っちゃダメだ」って声かけているみたいですね とも言われました。
 先週も、「去年の今頃にも同じ事を言っていたのですが・・・」とまた同じ話をしてきました。
投資は「株安・円高・金利高」の時こそ、前向きに検討するに適した時期なんですよ。
不安は先が読めないから発生します。投資に取り組む前には「リターンはどのくらい期待できるのか」「リスクはどの程度覚悟しなければならないのか」を自分の中で目安があるかを確認しましょう。
目安が立たない投資対象は、人が割安だと言っても、その人にとっては選択するには時期尚早な対象なのかも知れません。
 おそらく多くの人にとっては、「いくらまで値上がりするか」の目安はつきにくくても、「いくらまで値下がりするか」の下げの目安は見えてきた人は多いのではないでしょうか。
下げの目安がついて、覚悟が据われば、投資を検討する準備はできたことになります。
 今週も先週同様、上下の幅の大きさ自体は大きなものではないと想定しますが、徐々に、下げに対する警戒感は先週よりも小さくなると思います。
 目先の相場にとっては、中国株式等のアジア株式の堅調な値上がりは支えになりますが、もしアジア株式がクラッシュして暴落する事態を考えればゾッとします。たとえ日本株式が割安で堅調であっても、その下げ渦に飲み込まれてしまうのは必至です。
 現在の中国やインドで起こっている金融引き締めのグリップが少し強めに働いていることが結果下げ幅をマイルドなものとし、アジア株式等新興国株式の暴落を先延ばして、日本の景気に体力がつく時間的な余裕を与えてくれていると考えれば、国内投資家にとって長い目で見て好都合な状況だと私は思います。
 そうは言っても、まだ投資環境は楽観できる状況ではありません。「確実勝てると思ったときに参加する」を守って、これからも投資と上手に付きあっていきたいものです。