思えば2004年が一番消費が盛り上がった!!

 2002年は日本中がリストラで息も絶え絶えでした。しかし2003年の夏以降になってやっと、景気回復で米国が世界の消費地として復活し、五輪に向けて国力の充実と自信を深めた中国が世界の工場となり、死にかけていた日本の鉄鋼、素材、造船・海運が一気によみがえりました。
 リストラ懸念は徐々に薄れていき、銀行も当てに出来ずタンス預金となっていた財布から徐々に、これまで頑張ってきた自分にご褒美する余裕で出てきました。日経平均株価は一時8000円を割り込み、6000円にまで下がるかと弱気になりましたが、1万円台に戻り1万2000円まであり得ると心を強くしたのもこの時期です。
 思えばこの時期は企業業績も上向きで、これまで我慢してきた分、何かを無性に買いたくなったり、おいしいものを食べたくなったり、どこかに出掛けたくなった時分ではなかったでしょうか。
 2003年末に「いつかはクラウン」のトヨタのクラウンがフルモデルチェンジを行い、これまでのおじさんクラウンから、スポーティーなクラウンに変わり、「ゼロクラウン」として登場しました。当時クラウンユーザーの平均年齢は58歳だったらしいのですが、もっと若い人にもアピールできる車として、トヨタは冒険しました。
 これが当時バカ当たり。試乗希望はひっきりなしで、納車にひどく時間がかかるほど人気でした。車の購入は景気のバロメーターですね。私の感覚では2004年が景気の上り坂で、車を見に行く人、家を見に行く人が非常に多く見かけた時期だったと思います。
 2005年以降はその余韻で流れたものの、将来の年金不安や、金融商品等の詐欺の頻発、マンション偽装やリホーム被害など、信頼を損なう凄惨で痛ましい話しを耳にすることが多く、再び財布のひもを絞り始めた気がします。
 車の新車が売れません。日本の景気を引っ張るエンジンであるはずの車産業も北米など海外での売り上げに頼っています。新車の平均使用は、ついに11年を超えました。新車を初めて購入する機会が多い20歳−24歳の人口は1994年の998万人から731万人に激減し、携帯電話などの通信費用の負担増から車の購入に関心が向かない層が増えています。
駐車違反の取り締まりが厳しくなる中、都心での車の利用機会は減るばかり。「車が売れないのは景気のせい」とは言えず、国内販売の今後は深刻です。
 元気がある車でさえ、こうなんですから、ユーザの不満の声が耳に入らない、売った後のメンテナンスが十分に出来ていない「売るのに一生懸命なだけ」の業界、業者の今後は厳しいものになるでしょう。
 「売れるときに売っておこう」で済んだ追い風の環境は終わりました。その後のフォローが期待できるメンテナンスの良い業者が求められる時期に入ったと感じます。