一番食いっぱぐれがない商売は!?

 2002年の不況のどん底で、求人が無く、リストラが加速し失業者が増える中で、一番の有望業種は「職業訓練・斡旋業」と言われていました。その最たるものが、親方日の丸の「ハローワーク」。失業して求職活動に入るときに、失業給付を受けるためにハローワークに手続きに行きます。
 そんなハローワークに対し、大田弘子経済財政担当相の私的懇談会で「ハローワークの民間開放は可能」と報告したところ、厚生労働省は国際労働機関(ILO)条約違反になると反発しているそうです。反発している本当の理由はハローワークに在籍している約12000人の正規職員の処遇が困難になるから、という見方もあります。もしこれが本当の理由であるなら、厚労省は現実を受け止めて、厚労省から前向きな提案を出すべきです。
 私がハローワークを訪ねた時、第一印象から、ハローワークの紹介だけでは、自分の求めている就職は困難だなと感じました。したがって、私にとってのハローワークは「失業給付」の手続きをする場所でした。ハローワークの方から「新しい就職先を見つけるための心構え」を聞きましたが、正直申し訳ないのですが、通り一遍の話しで内容があったとは思えませんでしたし、申し訳ないですが「あなたが求職する立場だったら就職先に困るだろうな」という方でした。
 一方で、私の知り合いの話では「○○区のハローワークの■氏は一生懸命で、結果職には結びつかなかったけど、よくやってくれて感謝している」という人もいます。その人は、いろいろなところで、その仕事ぶりを感謝されている有名人らしいです。
 厚労省は反対を唱える前に、ハローワークで立派な仕事をしている地域、職員の存在を世間に訴えるべきです。「市場開放、結構なことです。我々はこれまで積み上げてきたノウハウを更に磨き、我々だから出来る仕事をアピールする機会にします」と言えるグループの輪を広げていくしか、今後も国民の支持を受けて存続することは困難ではないでしょうか。
 「あの程度の仕事で、あれぐらいの給金がもらえるなら、もっと良い仕事が自分なら出来る」という意識ある人が集まり、切磋琢磨して働いてもらった方が求職者にとって助かります。「我々の雇用保険はあなたたちの生活を支えるために払っている訳じゃない」と悪意な声に負けない仕事ぶりが求められています。
 先ほどの人のように、「他の職員と一緒にしてくれるな。自分はこの仕事を天職だと思っている」と自分のノウハウに誇りを持っている人がいるはずです。またその人を見て、そうありたいと思っている次の人がいるはずです。組織を守るよりも、そんな意識ある人にスポットを当てて、全体のレベルを引き上げる方策を取らないと、ハローワークの先が見えてこないような気がするのですが。