ついに日経平均株価は14000円の大台を割り込み13500円程度、米ドルは105円が見えてきました。この水準で売りたくて売っている人も少ないでしょう。非常に気が落ちたムードが漂っています。「水準はもう割安だと思うよ・・・」という、ぼやきも聞こえます。
こういうときは13000円が目途とか、105円が目途とか、目先すぐ起こってしまう目安でなく、最悪をイメージして投資に取り組まないと、「少し上がっては大きく下げ」の投資環境がしばらく続くと思いますので、神経が持ちません。個人的には、年内に投資チャンスがあると期待できるシナリオを保てる下値の目途は、日経平均株価12000円、米ドル為替1ドル=102円、国内長期金利1.2%に置いています。ここまでの水準があるかどうかは別として、下値がそこまであることを前提にして、今何をすべきかを考えています。
小泉内閣の元気な頃であれば、株価反転が期待できるような政府からの働きかけが期待できたかもしれませんが、自分の身でいっぱいになっている政府や政治に、その役割は期待できません。
総裁の任期が間近に迫り、次期総裁が誰になるかも混沌としている日銀に期待することもできません。最近の寒さのように、現在踏ん張っている投資家は孤軍奮闘、ひたすら耐えて春になるのを待つばかりです。
おそらく外国人投資家も同じ事情なのではないでしょうか。日本の投資環境はしばらく変わらないから、より期待できるところを先に手がけて、底が確認できて自立反発しそうな頃合いに参加すればいいや、と打診買い程度の様子見を決め込む。
「日本人は不思議だよね。下がれば下がるほど弱気になる。ついこの間まで16000円が底といっていたのに。今は16000円が天井だって。12000円を割り込んだら、また8000円とか、4000円とか言い出すのかなあ」と笑っているかもしれません。
外人が買わないと、価値が確認できない。これまで何度も皮肉られた日本人の審美眼。価格が妥当であるなら、いずれ時が解決してくれるはず。
「あの時は買いだと俺も思ったんだけどねえ」と平気で今年を振り返れる人はよいのですが、もし悔しがると想像する人なら、外人投資家よりも一歩先を踏み出せるように、小さな一歩の準備を怠りなく。
目先下げることを覚悟して取り組んでいる私も、さすがに最近の下げ方にはびっくりしています。
「下げたら買ってやる」という人の気配を感じません。投資に興味がないのであればOKですが、「貯蓄から投資へ」と前向きに投資した人の前向きさが戸惑いの中で沈み込んでしまっているとしたら問題です。こういうときは自分だけで悩みを抱え込まずに、不安な気持ちを言葉にしましょう。販売窓口になった金融機関はこういうときに相談を受けて不安な気持ちの解消に役立てば、手数料に見合った仕事をしてくれていると投資家から評価を受ける機会になるのではないでしょうか。