「あー何でこうなっちゃったんだろう」、「あの時、もう少し考えがあったら」と過去の行いに後悔し、「あ〜、これからどうしよう。何も手につかない」と意気消沈してしまうことが、人間だからあります。
そのときに回りを見てみる余裕があると、自分の状況よりももっと深刻なはずの人が、笑っていたり、むしろなぐさめる側に回っていたりします。そういった人の話しを聞くと、暗く引きずる気持ちは勿論同じなのですが、「そこからどう考え方を向けていったら前向きになれたのか」の知恵を感じることが多いです。
人の成功話を聞いても、その時の環境もありますし、運もありますし、個人によることも大きいので、大抵は自分のためになることはありません。しかし、成功者の失敗話。そして、そこからどうやって立ち直るきっかけとしたのかの苦労話は大変役に立ちます。
相場の格言などは、今まで何度も痛い目にあった投資家が「次回は間違わないぞ」という失敗から学んだ知恵です。「いつまでも上がる相場はない」、「魚の頭としっぽはくれてやれ」、「利食い千両。見切り千両」、「人の行く裏に道あり花の山」、「半値八掛け2割引で底を打つ」などなど。
名人といわれた人も失敗をしますし、後悔もします。名人も最初は初心者です。
相場の良いときは、頼まれもしないのにあちこちからアドバイスの声がかかります。しかし相場が悪くなると、誰もが無口になりがちです。本当はこんなときにもらえるアドバイスが一番有り難いのに。是非皆さん、人の苦労話が聞ける機会があれば大事にしてください。自分に当てはめて聞いても為になる話かも知れません。「何でこんなにこの人は前向きなんだろう」という人がいたら、「何でそんなふうに前向きな気持ちになれるのか。今までどんな風過ごしてきたのか。そして今後どんな風に考えているのか」聞いてみてください。その人はきっと苦労を受け止めて、立ち上がった人のはずです。同じ事ができるかどうかはわかりませんが、参考にはなるのではないでしょうか?
一人で悶々とせず、回りを眺めると、そんな人が見つかるかも知れません。