本日は久々の円安進行で、日本株も大幅高となっています。今後、シティグループやメリルリンチなど米系金融機関におけるサブプライム関連の追加損失が新たに加わってくるので、この先はわかりませんが、現在のところ、スイス金融大手のUBSがシティグループを抜いて損失計上額はトップになりました。固い経営で通っていたドイツ銀行でも4000億円の損失計上です。
私はサブプライム問題で危機感に勝る米系金融機関の方が欧州金融機関よりも損失処理のヤマを早く越えると予想しています。欧州金融機関の深刻な数字はこれからではないでしょうか。とりあえずは楽観的な見通しまで転換するとは思えませんが、悲観的になりすぎた分の相場の修正が働くのではないかと期待しています。
ここのところ、金価格は利益確定から短期筋の投げが入っているようですが、その資金はどこに流れるのでしょうか?3月末を越えて円高の特殊な季節要因も消え、日本株は13000円を固める動きになると思います。不謹慎ではありますが、福田内閣解散総選挙期待の高まりは日本株相場の強材料になりそうです。
ところで「買いで儲からなければ売りで・・・」と、果敢に挑戦している人はいませんか?私の場合は、それほど器用ではありませんから、そんなことに挑戦する気持ちはありません。
しかし「買いでも儲けて、売りでも儲けて」というリターンとの裏腹で、下手をすると、または順序を間違えると「買いでも損して、売りでも損して」と、両方でやられてしまうリスクもあります。ある意味で、そういう方が多いと思います。相場の転換は、「売っていた人の買い戻し」という売っていた人の悲鳴が買い材料になったりします。
売っていた人は不意の相場上昇で投げるタイミングを見失い、踏まされてやむなく投げさせられる。「また高いところで売ってやる」と向きになって相場を眺めていると更に上昇してしまい、買いのタイミングを完全に逃してしまう。悲嘆に暮れ冷静さを失い、ついに高値を買いに行き、つかまってしまう・・・・。これが最悪のシナリオですね。
相当自信がある人なら別ですが、「売りは短期間で勝負するもの」。向きになって売りを継続するのは命取りになりますよ。お気をつけて。
13年間で投資元本を25倍にして、運用資産を1000倍にした米国の伝説的なファンドマネージャーの株式投資に対するコメントで、私が気に入っているものがあるので、最後に紹介します。
「株式投資は素晴らしい。投資元本を10倍以上にすることが可能なのに、最大のリスクは元本を失うだけだ」。
株式投資の最大のリスクが「株券が紙くずになって無価値になること」と覚悟して臨めば、株式投資は魅力的だということです。株式投資の基本は現物取引。信用取引でレバレッジをかけたり、信用の売りでは最大のリスクは元本を失うだけではすみません。最悪を覚悟できれば、前に踏み出すタイミングに躊躇しないですみます。凡人の株式投資は現物取引にかぎります。