金価格1100ドルと原油価格80ドル。オバマ大統領への期待が不満に変わり、「所詮景気回復は政府支援なしではあり得ない」と、超金融緩和政策の継続と新たな政府支援策を期待するムードが高まっています。年末商戦はこのままでは不調もやむなしと、販売不調を前提に店頭在庫を絞っている現場もあり、あきらめムードも漂い始めているとか。
なりふり構わぬ各国の政府支援策で景気の底をつけた形にはなりましたが、逆に、早くも「景気の本格回復を望めない」と次回の政府支援策があっても短期間のカンフル剤にしかならないという悲観的な見方が広がっています。
したがって、新興国景気に頼った先進国景気の危うさを受けて、米ドルでもない、ユーロでもない、金価格の動向が注目されるのはわかります。しかし、実需の高まりがないのに、インフレ懸念をはやし、投機マネーの受け皿になっている原油等資源価格の上昇は理解できません。
民主党が齊藤次郎社長の登用は「天下り、渡りには当たらない」と強弁していることと同じくらい違和感があります。みんなの党の渡辺議員が指摘したように、「今回の登用は、どうしても必要な人材だから、天下り、渡りに当たるけど強行した。後の仕事ぶりに是非期待して欲しい」と認めないと理解できない。みんながおかしいと思うことを、「おかしくない」と無理を通して政権から落ちた自民党の例を参考にして欲しい。そんな無理を通そうとする地合いが長続きするはずがないでしょう。
現在の相場も、「えー?これっておかしくない?」ということが増えてきています。
「景気の実態が好転している状況にもないのに出口戦力?」
「人があぶれ、製品価格が下がっているのに、インフレ懸念が高まっている?」
「新たな政府支援策があっても長続きはしないと思っていながら、目先の上昇にノリノリ?」
上値の余り期待できない相場ですから、割高なところで投資するとしばらくつかまってしまう可能性が高いので、納得いく水準を待ち、もし買えなかったら仕方ないじゃありませんか。
「理解できないこと」と「理解できること」を分けて、今後を見ていきたいと思います。