不動産投資信託を日本に根付かせようと日夜努力している運用会社、販売会社には非常に心苦しく、「もうその話はそっとしておいて」という声が聞こえてきそうですが、やはりこの件に目を背けてはいけないと思います。業界として真摯に受け止めなければならないと思います。
昨日、証券取引等監視委員会は上場不動産投信の運用会社であるプロスペクト・レジデンシャル・アドバイザーズに対して行政処分を出すように金融庁に勧告しました。同社は親会社の利害関係者から不動産を取得する際、不動産鑑定業者に対し、売主の売却希望価格以上の評価をするように働きかけたとのことです。投資家の利益よりも親会社の関係者の利益を優先させたわけです。
「こういう関係が運用会社と利害関係者との間であってはならない」と誰もが注意すべき、ありえない事が起こったという意味では、野村證券社員やNHK職員のインサイダー取引と全く同じです。
こういう事件が一つ起こると、「他にも同様なことがあるのではないか」と同業者は疑われることになり気の毒ですが、是非自ら潔白を晴らすように情報公開の努力をしていただきたいと思います。
Jリートも異常な株高の修正が入り、投資対象として再び光を戻しそうな矢先のことです。この呆れた不祥事を機会に、次の前向きな一歩を踏み出していただきたいと思います。