上がったものは下がり、下がったものは上がり。結果、相場は方向性を見いだせず、トレンドは依然、ドル高、ユーロ安・ポンド安の流れは継続しているという印象を持ちました。
ニューヨークダウ指数は上下はありましたが、11400ドル〜11500ドル前後の動き。日経平均株価指数も最終的には13000円手前まで戻る。しかし、ドルと対極であるユーロ、ポンド、そしてその先にある原油価格・金価格の下降トレンドは続いています。原油価格は111ドル台から122ドルまで上昇した後114ドル台まで下落。金価格は775ドル程度まで下落後835ドル程度まで上昇し822ドルまで押し戻される、荒っぽい動きとなりました。
ドル高が原油価格や金価格の下げを誘ったという見方が多いですが、私はむしろドルが主ではなく、原油価格や金価格が本来あるべき位置を見失い、不安になった資金が流出し、結果ドルが支えられているのではないかと考えています。ドルは決して割安な水準ではありません。しかし、それ以上に、原油価格と金価格の妥当水準に迷う人が多いのだと思います。
注目しているのは、ドルに対して7月から本格的に下落したユーロ、ポンドの今後です。米ドルに対してユーロは1.6から1.46まで急落、1.49までいったん戻しましたが、1.478で引け。半年以上前の水準です。ポンドは2.02から1.85まで急落、2年前の水準まで戻されました。
以前にもこのブログに書きましたが、資金の流れが明らかに逆流しています。ドル下落を恐れ、ポンド、ユーロに流れた資金が、信用収縮の流れを受けて消去法で最弱通貨を争っていたドル、円に戻っているようです。敗戦処理が背景ですから、値上がり利益を目的にする投資家にとっては、しばらく我慢の日が続きそうですね。
花見気分の人はいなくなり、しようとする人もいなくなり、綺麗な花を見ようと思えば、存分に自分のペースで見ることができる環境になったと考えたいものです。去年、「投資しようかどうしようか」と躊躇していた人は、本当にラッキーな機会に遭遇しています。あのときの情熱を思い起こし、セミナーに参加するも良し、本を読むのも良し、人に話を聞くも良し。2年後、3年後の種まきをする時期として大事に過ごしてください。
「人の行く裏に道あり花の山」。それ以上のチャンスが目の前に広がっていると私は思います。